宗教的原理主義派が支配するアフリカの小さな街で第三フェーズ

 四台のおもちゃのラジコンの戦車は全速力で路地を広場に向かって走り出した。おもちゃのラジコンのサイズは、膝丈ぐらい。ラジコンのサイズでいえば、1/12ぐらいか。しかし、おもちゃのラジコンはいささか奇妙な格好をしていた。あるのは、ほぼ無限軌道を付けた車体だけで、戦車特有の戦闘室がない。車体に直接、銃身にミサイル発射管だけ何丁か搭載した、車体のみの戦車だ。

 このラジコン戦車の名前は、ピューマ。

 この遠隔式のシステム自体全体をピューマ・システムとも議会の防衛部内では呼んでいる。

 軌道輪、誘導輪、転輪に履帯が奏でる、軽い金属音を軋ませながら、時速40mlsの高速で、フェルマー中尉の小隊を横をかけていく。

「ヘイ・サージ軍曹ラジコンが俺らの横を走っていきますよ」とベルヌーイ一等兵。

「見えとるぞ、ヤコブ」ガロワ軍曹が答えた。

 三台と後方に控える、もう一台のラジコンは、路地を出て、ちょうど"屠殺広場スローター・プラザ"に差し掛かろうとしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る