第10話 エピローグ
シドニー港に曳航する飛鳥Ⅱ達。
「エネルギーを分けてよ」
アイリスが子供のようにせがむ。
飛鳥Ⅱはロープを切り離すと船体の向きを変えた。彼女は強襲艦の船体に開いた穴に二対の鎖を突っ込んで部品をもぎ取る。
「ちょっとパスポートを盗んだね」
声を荒げるアイリス。
「米軍の払い下げ品は高く売れないし、満足するのはミリタリーオタクだけ」
飛鳥Ⅱは品定めしながら船内に入れた。
「ケイン。そいつじゃなくてあの三隻の方が売れるよ」
QE2のイスラはいくつかの備品を見せる。備品や調度品にキュナードラインやスタークルーズのロゴがついている。
「そうね。高値の売れる奴いるじゃん」
うれしそうに言う飛鳥Ⅱ
「ちょっと修理ドックへ運びなさいよ」
アイリスがもがいた。
無視してイスラと一緒に沖合いにいる三隻の客船に近づいた。
「エネルギーを分けてよ。修理ドックに運んでよ」
子供のようにせがむマチュアとカチュア。
「ここまで運んだんだからあとは自分でドックへ行って」
突き放すサミット。
「放り出されるよりはマシだ」
ミレニアムはそっけなく言う。
威嚇音を出すマチュアとカチュア
「ヴァーゴ。手に入らない気分はどんな感じなの?」
わざと言う飛鳥Ⅱ
「かならずコアをえぐってやるからね」
声を低めるヴァーゴ。
「そういうのは治ってからいいなさいよ」
飛鳥Ⅱはヴァーゴのデッキからベットや備品、調度品をつかんで自分の船内に入れる。
「エンジンの状態と機関室の船室の機械の様子だと一ヶ月は無理ね」
イスラはエンジン部品を引っこ抜く。
「よかったわね。船旅ができなくて」
飛鳥Ⅱはわざと言った。
「なあ、アルタニア。イスラエル軍に入らないか?」
曳航されながらエイラートは声をかけた。
無視するパオリ。
「おまえの出生の秘密とか知りたくないか」
ロマットとヘッツはわりこむ。
「何か知っているの?」
船体ごと向きを変えるパオリ。
「聞かなくていい。そこに放置しておけば修理部隊が回収する」
わりこむアッシュ。
ヘブライ語で悪態をつく三隻。
ヘブライ語で言い返すアッシュ。
アッシュとエイラートは威嚇音を出した。
「わかった」
パオリは三隻を離すと三神達に接近した。
「何か手伝う事ある?」
パオリは聞いた。
「ないよ」
しゃらっと言うアレックス。
「朝倉さん。日本に来ていい?ナンパのやり方を教えるよ」
提案するパオリ。
「本当?」
声を弾ませる朝倉。
「そんな指南はしなくていいわ。あなた仕事はどうするの?」
あきれる佐久間。
「カメレオンが出没しているし、おまけに今回の出来事だからしばらくクルーズの仕事はないと思うから日本に来たい」
パオリが答える。
「それは俺達で決められないし、船会社と相談しないとわからない」
戸惑う三神。
「パオリ。日本に来たいならいいよ」
調査船の船橋ウイングから顔を出す翔太。
「いいの?じゃあ行く」
声を弾ませるパオリ。
「まず、船会社に聞いてアマデアやドゥロス・フォスに聞かないとだめね」
佐久間は言った
飛鳥Ⅱ 特命チームに入る ペンネーム梨圭 @natukaze12
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます