金蕾の番

大陸で最も華やかな国・ラセン皇国おうこくには誰もが真と謳うお伽噺があった。

それは──金の花の伝説。神の子である皇の花。その花の紋が咲く生き物は須らく神子の物として、神子の為に生きるのだという。そしてその紋が咲いた人間は「神子のつがい」として子を孕み、次の皇を──「神子」を産むのだと。

──そして私は金の蕾を踏み潰した。



「金蕾の番」設定

反乱軍を率いる女将軍による戦記物。


ラセンに最下級の孤児として転生してしまった女性。前世では一国の首相を務め、末期的だった国を立て直し「今世紀最も偉大な政治家」とまで称された女傑であった。

今世では生来右目に「金花紋」を宿していたが、「神子の番」になることを厭い、紋が前に自らで抉り出して踏み潰すという度を越した精神力を持つ。

前世から通して女であることを理由に理不尽を被った事が多く、性別・性愛・身体による差別・侮蔑を最も嫌う。


ラセン皇国

封建制国家であり、皇は土地と民を貴族に委託する代わりに税と兵を徴収している。

かつて大陸一栄えた大国である。

本来貴族達を監視し調停する皇家はその役割を果たせていない。民は重い税と災禍に苦しんでいるが、皇と貴族が宴を開く皇宮では日夜絶えず大華の甘い香りがするという。

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カクヨメない、妄想集 宮崎 @m-youya

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