一日違いの一年差

作者 結葉 天樹

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★★★ Excellent!!!

彼女にとって、彼に対する目的は負けないこと、勝利することではなく、ただ隣に並ぶことだった。しかしいつかしかその目的がズレ、自分の本心から脇道へとそれてしまった。
けれどこの話の面白いところは、目的からのズレが引き起こした悶々たる日々が無ければ、ラストのシーン、彼女が「何でもなーい」と意味ありげな笑みを残すことはあり得なかったということだ。つまりズレによる、あたかも無駄であるかのような行動が、彼女の恋愛に、彼女の愛情に重みを加えていたのである。
メジャーリーガーのイチロー選手は、回り道という試行錯誤にこそ意味があるという(すみません、うろ覚えです(笑))。
この作品ではまさにそれが語らわれている。恋愛とは無駄であって、その無駄が思い返せばなんとも愛らしい。そんなものなのではないか、と。
思い返せば彼女と同じように、ぼくらの周囲には目的からズレている事柄が多く存在する。政治から、極々身近な事柄まで。それをただ否定するのではなく、それがあるからこそ……、という赦しになっているように、ぼくは思えました。

リツイートいただき、ありがとうございます。
とても素敵なお話でした。

★★★ Excellent!!!

早生まれの幼馴染みのいる梢枝という少女のお話です。
主人公の梢枝には、大貴という早生まれで学年が一つ上の幼馴染みがいます。
二人は仲はいいのですが、それ故に「早生まれ」が絶対に越えられない壁になっていて、梢枝はそれをずっと気にしていました。
ある日、大貴にやりたい事を聞かれた梢枝は、悶々としていた気持ちから、ある事を大貴にしてしまいます。
そのことが、梢枝自身がやりたかった事を気付かせたのです。
その後、二人は――。

★★★ Excellent!!!

1日違いで学年が違う。年齢を重ねれば重ねるほどに、その差は二人の間を隔てていく。
そのたった1日だけの違いにこだわって、オチまでしっかり1日の差というものを軸にして書ききっています。
いじらしい主人公の想いに感情移入してしまい、そして最後に心が温まる。そんな素敵な作品でした。