大きな差に悶々としている梢枝ちゃんが、晴れやかな笑顔になる瞬間が素敵で、読み手のこちらまで幸せになりました!まだドキドキしています……とてもとても幸せな珠玉の一話完結。
主人公の女の子が大貴に抱え続けてきた“差”がとても上手に書かれていました。読み終わった後は一日、一年の貴重な意味を感じること間違いないでしょう。僕はこの作品の始まりかたもオチも大好きです。
It's so beautiful!
最後には・・・
学生時代の一歳差はなんと意味ありげで、大きな段差になっているのだろう。本質的だとは思えないものに足枷をされて、伸ばした手が愛しいものに届かないもどかしさ。本作ではそんな切なさが胸に迫ります。
早生まれの幼馴染みのいる梢枝という少女のお話です。主人公の梢枝には、大貴という早生まれで学年が一つ上の幼馴染みがいます。二人は仲はいいのですが、それ故に「早生まれ」が絶対に越えられない壁になっていて、梢枝はそれをずっと気にしていました。ある日、大貴にやりたい事を聞かれた梢枝は、悶々としていた気持ちから、ある事を大貴にしてしまいます。そのことが、梢枝自身がやりたかった事を気付かせたのです。その後、二人は――。
1日違いで学年が違う。年齢を重ねれば重ねるほどに、その差は二人の間を隔てていく。そのたった1日だけの違いにこだわって、オチまでしっかり1日の差というものを軸にして書ききっています。いじらしい主人公の想いに感情移入してしまい、そして最後に心が温まる。そんな素敵な作品でした。