第6話 北西の町ルーファ
「はい着いたよ、ここがルーファだ」
従者が言うと馬車が止まり俺達は荷台から降りる。
「町の中は馬車が入ることはいけないんでここで降ろすよ」
「お世話になりました。お代は『ギルド ノーブル』宛で請求してください。これノーブルのギルド章です」
そう言うとアマルが従者に、氷の絵が描かれたバッジを見せる。
「確かに、ではこれで」
従者を見送りアマルと一緒に『北西の町ルーファへ
ようこそ』と書かれた看板をくぐる。
「イツキさん、ボクの用事にちょっと付き合ってくれませんか?」
「用事?まぁ別にいいけど」
「こっちです」
アマルに手を引かれルーファの大通りに進むと縁日の露店のようなお店がずらりと並んで活気に溢れている。
「おおー、すごいな。ワクワクするよねこういうの」
「何か分かります!」
露店商の列を歩きながら目で楽しむ。
ジャガイモを蒸かして売っている店や、アクセサリー店なんかもある。
でも魔物がいる。もうここは地球ではないんだろう……
俺はいつ元の場所に…いや、もう一生帰れないのかも…
『そう物思いにふけることはないぞイツキ殿。モットーは「今を楽しむ」であろう?』
「もっさん…」
『さぁ、アマル殿が呼んでおられるぞ』
「何か、ありがとな!」
まさか自分の一物に励まされるなんて今までは思いもしなかった、でも一人より二人。身近でいるってことが凄くありがたい
「ゴメン、アマル何だった?」
「もー、イツキさんは上の空になることが多いですよ。ここがボクの目的地です」
高さが2階建て程あるだろうか、頂点には先程アマルが従者に見せていたバッジに描かれた紋章と同じものがあった。
そして入口には《ギルド ノーブル》と書かれている
「これは……?」
「北部最大のギルド ノーブル です」
アマルがノーブルの建物に向かって手をヒラヒラさせる
「いや、じゃなくてギルドって?」
「ギルドは魔物を倒すために結成された義勇軍みたいなものです!イツキさんも入りましょう!」
「え、また急だな?てか俺レベル1だけど大丈夫なの?」
「あ…」
レベルが上がらないっていうデメリットマジで多いな
「と、とりあえず中に入りましょう!」
問題の先送りは良くないぞアマル……俺を助けて…
押し扉を開こうとすると中から怒声が聞こえてくる
「はっはー!ワタシの勝ちでありますよ!!」
右手に酒樽を持ち、左手には男が胸ぐらを捕まれたままぐったりしている。
何だこいつ……。
名付けるなら『戦闘時絶頂病』です @ark3080
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。名付けるなら『戦闘時絶頂病』ですの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます