と、まあ僕は良家でもなければどこの馬の骨かも分からぬ家柄だが、大正当時はきっと、このような話が多くあったに違いない。御家意識というか……世間体というか。兎に角、僕の中で『時代物の作品をもっと多く読んでみよう』と意識付けてくれた作品となった。言葉足らずで申し訳ないが、ただ面白い。ただ伝わった。ただ感謝の三語に尽きる。