絶滅

9741

絶滅

 私は単独で宇宙旅行に行っていた。

 月、火星、土星、シリウス。様々な星を見に行った。

 そんな楽しい旅行ももうすぐ終わり。


「久々の地球だ。皆元気にしてるかな」 


 俺は大気圏に突入し、我が家へと宇宙船を飛ばした。  

 自宅へと戻った俺は驚愕した。 

 家が崩壊していた。 

 いや、家だけじゃない。誰もいない、俺以外誰の姿も見当たらない。


「おい、コンピュータ! 皆はどうした! 俺の家族は、友達は、ご近所さんは!?」 


 俺は自宅に備えられているセキュリティAIに尋ねた。


『あなたの留守中に、巨大隕石群が地球に衝突しました。それによりあなた以外の全員が死滅しました』 

 

 死滅。 

 俺は膝から崩れ落ちた。死んだ、皆が。父や母、妹、友達が。


『私に備え付けられたエネルギーもじきに無くなり、ます。さ、よう、なら……』 


 次の瞬間、セキュリティAIは機能を停止した。 


 俺は絶望した。 

 この世界に、俺だけが残っていてもしかたがない。


「皆、今そっちに行くよ」 

 俺は皆の後を追うことにした。 


 俺が死んだことにより、地球から後に恐竜と呼ばれる種族は絶滅した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

絶滅 9741 @9741_YS

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ