第18話 #room {color=#ffffff; for(a!=0){*a/2}; for(a!=0){a*2};}

少年はある日夢をみました。

見たことのない白い部屋に居る夢です。

体はベッドに縛り付けられています。

手足は欝血しているので、何の感覚もありません。

突然天井に部屋と同じくらい白い球体が現れました。

少年が瞬きをすると、球体が2つに分裂しました。

体積は最初の球体のちょうど1/2くらいです。

もう一度瞬きをすると、球体は4つになりました。

瞬きをするごとに球体は倍になって増えていきます。

そうして球体は部屋を埋め尽くしていきました。

顆粒状に小さくなった球体が空気を吸うたびに少年の肺に入っていきます。

少年の肺は液状に溶け、胸に空洞ができました。

溶けた液体は部屋と同じくらい白く、ベッドを伝って部屋と同化していきました。

少年は目を閉じ、「溶けよう」と思いました。

少年の体は白く溶け、意識だけが残りました。

自由になった少年の意識は立ち上がり、白い部屋のドアを開けました。

これで少年の夢は終わりです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

終末の白い部屋 ゆとり @yutorico

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ