第3章 誕

「転生システム《アーク》。

これは全ての創造主、テオが人間のためだけに作り出した“特例”である。


すべての魂は天界から生を受け生き、終わりを迎えて死ぬ。

そして死んだ魂は再び天界に戻り、また生を受ける。

これは通常の転生。


しかし、人間として生きた魂は死んだ後、すぐに天界には行かず一度空に留まる。

そしてその者が生前残した後悔を見届けるまで、転生を見送ることができる。


これが人間として生きた魂にのみ与えられた“特例”、《アーク》である。


アークの運営において重要な役割を果たしているのが我々“イヴ”。


我々の役目は主に人間の魂の運搬にある。

死を迎えた魂を空へ運ぶ。また、空から天界へ運ぶ。


まぁ、百聞は一見にしかずだな


以上でざっくりとした説明は終える。

後でこの資料すべてに目を通しておけ。

現時点で質問はあるか?」

私は、目の前の男児に分厚い資料を渡す。


四方八方が白で染められた狭い部屋に私と彼はいた。

歳は14くらいであろう。

彼はたった今生まれたばかりのイヴであり、


私のパートナーである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星にサヨナラ みつ @Mima_14

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ