第2章 朝

まぶたの隙間に潜り込む光で私は目覚める。


目を開け、仰向けになりながら右手を上へと伸ばして空(くう)を掴む。


またか...


最近私は同じような夢を見る。


少女が目の前で屋上から飛び降りる夢。


あの娘の一件からだ。


あの娘を送った後、毎日のようにこの夢を見る。


...まぁいいか。


今日は仕事なのだ。新たな使者を迎えに行く。


ベッドから起き、そのまま伸びをしながら昨日用意しておいた朝食を食べ、身支度をする。


パンツスーツに体を通し、空気を体内全体に取り込み、

「さて...」

左手首にある片翼の刺青に右手を当てる。


目の前に大きな鉄の重々しい扉が現れた。

この扉の向こうに私の職場がある。


身だしなみを整え、深く呼吸をし、

私は扉を開ける。

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