5月某日 滋賀県X店での話。part1

GWと言えば行楽のシーズンである。

ギャンブルで頭が灼けついた人間の行楽などたかが知れているだろう。

今回はそんなGW中の活動記録を書いていく。


5月某日、その日はとある店舗のイベントの日であった。

イベントの日はパチスロの内部設定がいいこともあるが、もちろんイベントとは名ばかりの通常営業であることも多い。

そんな中でもけなげにイベントとしている日はきっちり内部設定を良くしている滋賀県X店のイベント日である。


朝8時、パチスロ仲間のA氏とB氏と三人で車に乗り込み、9時半の抽選に間に合うように出発する。

A氏は中学時代からの悪友である。よくよく思えばGW中に朝からパチスロなんて屑になったのはこいつがすべて悪い気もしたが、パチスロを教えたのは私であるので私が悪いような気もする。

まぁでも、A氏がほぼほぼちょっとした自営業とパチスロで生計をたてだしたのは私のせいではない。

彼は私より”スロプロ”寄りの人間だ。

B氏はA氏の大学の同期生である。己一人ではパチンコ屋にも入らぬような真人間であるが、A氏と私がパチスロで小銭を稼いでるのを見てついてくるようになった。

君ももうすぐ屑の仲間入りだ。南無三。


集団で向かう理由はいくつかある。

まぁ一人でパチンコ屋で一日はいくらなんでも寂しい。それは大きい。

ワイワイお互いの悪口を言いながら車で出かけていく様はまるで一般人かのようである。


それと、リスクヘッジの目的。

一日最高貸し額(※メダル1枚20円相当)のパチスロを打てば悠に10万負けてしまうことも普通に考えられる。

故に「ノリ打ち」という手法を取ってリスクヘッジを行うのである。


この「ノリ打ち」というものは、私たちの中でのルールは、最終清算時にまず、一日で全員で入手したメダルを計測する。次にそこから、各々がパチスロ屋に借りたメダルの額分を回収する。そして、残ったものを参加した人数でわける、というシステムである。(*人によってやり方は違うかと思われる。)

つまりは3人いて、一人が5万借りて0円稼いだ。一人は5千円借りて8万稼いだ。一人は2万借りて3万稼いだ、となったとき、まず稼いだ11万をまとめ、そこから5万と、5千円と、2万円をまずもらい、残った4万5千円を三人で分けて一人1万5千円勝ち、ということになる。

5万借りて0円稼いだ人は申し訳なさから残りの二人に夕食をおごることになるのは暗黙の了解である。

ちなみに借りた額が稼いだ額を上回る場合は私たちでは借りた額が少ないものから引いて行って、一番借りた奴が残りを貰うことになっている。


道中渋滞に巻き込まれ、やたら車間距離を開けているウェイクが走っているのを見て、こいつが渋滞の原因か・・・などと思ったが、どうにか面白味もなく抽選の時間には間に合う。


パチスロ屋は朝から並んでいるイメージがあるが、多くの店は前から順番ではなく、くじを引いて番号順に並ぶシステムが多い。

前から順番にすると徹夜組などが出てきて風営法やらなんやらうるさいのである。

今時はパソコンで抽選しているところも多いのだが、このX店はいまだそんな文明の利器はなく、なぜかローソンの一番くじの箱の中に番号の書かれたカードが詰まっている。


吉本新喜劇の島田一之介を愛想悪くしたような店長が抽選箱を持って店外に出てくる。

この店長、実は攻略法がある。

並んでいる人数を数えた後、順番になったそこまでの番号のカードをぐっとつかんでぶち込んで揺すっているため、どっちかの端に若い番号が偏っているのである。

ちょくちょく通って店長を観察した結果わかったことだ。

A氏B氏と打ち合わせして3人で2人は箱の右側、1人は左側からカードを引っ張ってくることを決め抽選に挑む。

結果は11番 13番 26番。(約40番中)

最大のお目当て台は無理としても、そこそこにいいお目当てを狙えそうで一安心した瞬間であった。

だが、敵は待ち構えていたのである・・・・


次回、午前中の立ち回り編。

基本エッセイであるため、どんな人でも読めるようなわかりやすい文章を目指しているが

次回はパチスロ機の名称やデータの話が多く、少し難しいかもしれない。

パチスロは知らないがお前のエッセイには興味があるという奇特な方はある程度読み飛ばしてもらえればと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

趣味以上仕事未満 @takato802

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ