無駄に壮大にしてみる。 その弐
阿井上夫
無駄に壮大にしてみる。 その弐
その日、俺は神々と契約を交わした。それは「もし俺が死ねば、他の誰かが莫大な財宝を得ることになる」という、俺にとっては何の意味もない理不尽なものだった。その日から、俺の生き延びるための過酷な戦いが幕を開ける。信じられるものは己のみ。
その契約は、大いなる旅が始まる日の真夜中に始まる。翼が大地の
もしも、俺が旅の途上で進むべき道を見失って彷徨し、力尽き、生還が困難になったと神々が判断した
そして、それとともに契約の
神々は宣言した。この契約を結ぶにあたり、俺には微塵の曇りも許されないと。真理への忠誠を課し、神々の問いに対する俺の答えには、微塵の偽りも許されない。
そして、神々は俺が居場所を常に明らかにすることを要求し、逃亡は契約からの逸脱行為とみなされるのだ。
*
当社は、保険契約の約款および付帯された特約に従い、保険金を支払います。
当社の保険責任は、始期日の午前零時に始まり、満期日の午後十二時に終わります。時刻は日本国の標準時によるものとします。
被保険者が搭乗している航空機または船舶が行方不明となった場合または遭難した場合、その日を含めて三十日を経過してもなお保険者が発見されないときは、被保険者が死亡したものと推定します。
保険契約締結の後、被保険者が死亡した場合には、保険契約は効力を失います。
保険契約者または被保険者になる者は、保険契約締結の際、告知事項について事実を正確に告げなければなりません。
保険契約者が保険証券の住所または通知先を変更した場合は、保険契約者は遅滞なく、その旨を通知しなければなりません。
( 参考文献 海外旅行保険普通保険約款 )
無駄に壮大にしてみる。 その弐 阿井上夫 @Aiueo
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