白姫草子というタイトルが非常によく合う、静かで美しい物語です。淡く儚い風景がずっと浮かんでいる、そんなイメージ。最後まで、そして読後にもその余韻に浸ることができました。
読みながら「読み易く、かつ綺麗な詩的な文章だな」と思いつつも「なんか妙に物足りないな」とも感じていました。言っては何だか、特にこれといった要素が無いからだ。また、すぐに覚えるであろう違和感が終わりまであるのですが最後の最後で「なるほど」と全て納得させられました。大変面白かったです!!
読んでいて、心があらわれるような作品です。病院で死について語られる作品なのに、静かで、穏やかで、優しさに満ちています。 終わり方、最後の一行まで愛おしいと思える一作。 そしてその雰囲気を生み出す作者の技量が素晴らしいです。引き付ける文章力があって、見習いたいと思いました。
誰も悪人がいない、優しいお話。死神さんいい人。