雨の向こうに
@yomigaeri
第1話
七月の夕立は、雨粒も大きくなってアロハシャツでバイクに乗っていると痛いくらいに染みる。代々木公園から上原に抜ける水道道路のところでバス停の脇にある自販機のプレハブボックスを見つけたので、そこで雨宿りをしようと減速してバイクを止めた。慌ててプレハブボックスの中に走り込んで雨に濡れたヘルメットを脱いだ時に片隅に人が居たのに気付いてハッとした。誰?って俺が言う前にニコッて微笑んで、あんたのヨンフォア?って聞いて来たので、んん、俺んだよ!俺は自分のバイクを指差してコイツめっちゃ速いよ!って言ったら、突然に顔色が明るく変わって、うそー乗せてー!って言ってきた。その時に初めて、この少女の顔をちゃんと見た。 一瞬、うわっ!ってたじろぐ程に可愛かった。俺は、じゃあ雨が上がったらチョット走ろうか?って言ったら、あんた、暴走族でしょ? 雨くらいでナニ情けないこと言ってるの? 雨の中を思いっきりかっ飛ぼうよ!って言われて、えっ???って、俺は一瞬面喰らっちまった。ずぶ濡れになっても知らねェぞ!いいのか? そう言うとヤッター!って言いながらイキナリ俺の腕を抱え込んで、あたし翔子、あんたは? お、俺、近野って言うんだ。そう言うと、一瞬、首を傾げて、えっ?っと、考えてから、ねえ、カギ貸してよって言って来たので、ナニするん?って聞いたら、あんた、アタシがその辺の尻軽オンナみたいにバイクのケツ乗って喜ぶとでも思ってるの? そう言うと俺の手からむしり取るようにバイクのカギを取って降りしきる雨の中に出て行って、颯爽とバイクに跨りセルを回してエンジンに火を入れて吹かし始めた。フォーン、フォーン、フォーンと吹き抜けるような爆音が心地良い、女は、オオーッ!この音、この音って言って独りで世界に入っている。アンタがさあ、さっき、エンブレ掛けて来た時に、ホントは、もう、我慢できなくって飛び出して行こうと思ったくらいなんだよ! ヤッパシ、ヨンフォアの音がイチバン良いよね。そう言うと予備に付けてあるドカヘルを取って勝手に被りアゴ紐をキュッと締めて早く乗んなよって言ってきたので、おい、お前、本当に乗れるんのか? 俺のバイクはエンジンいじってるからアクセルワーク敏感で危ねェぞ!って言うと、ワァーオ!って言って両腕をぷるぷる震わせると、ケッコウ大きめのパンと張った胸がいっしょに揺れてる。 俺は心の中でワーオ!って叫んでた。バランスを取りながら渋々後ろのシートに座ったら、雨なのにイキナリ、フォン、フォン、フォーンって吹かして発進したかと思ったら細い道なのに車を避けながら、かなり慣れたアクセルワークとクラッチで代田橋から環七へ抜けて甲州街道を左折して雨のあたらない首都高速4号線の下をパーンとアクセルを開けて、かなりのスピードで環八に出て左折し、そのまま雨の中を第三京浜入口まで走った。第三に入った所の円を書くような長いカーブを抜けると、イキナリ、フォーン、フォーンとアクセルを吹かしてエンジンを高回転にもっていきクラッチを繋げた。雨も少し止んで来たが路面は、まだ十分に濡れている。ザザーッと少し横滑りしたかと思うとタイヤがグリップを取り戻し、ポンと軽々しくフロントを持ち上げて、高回転域に入ったエンジン音がクォーーンという恐竜の鳴き声のような音に変わってグイグイ加速して行く、おい、まだ雨が残っているから危ネェぞ!って言ったら、俺の声なんか風圧でかき消されて聞こえなかったかの様に、行くよー!って言って更に加速して行き、高速で右コーナーを180キロくらいで水しぶきをあげながら駆け抜けて行った。ありゃー!この女ハンパじゃあ無ぇわ。次から次に迫り来るコーナーを軽やかにクリアーして行き、とうとう保土ヶ谷の料金所に着いたので、この辺で、一度止まろうと言ったら、湘南までブッチギリー!って言って料金所もブッチギリしちまった。そして、第三京浜から横浜新道に入って更に高速走行を繰り返している内に風圧でシャツも完全に乾いてしまい、茅ヶ崎の裏道を抜けてから、あっと言う間に海に出た。丁度、雨も上がって夕日が湘南の街並を幻想的なオレンジ色に染めていた。
その時、翔子が海岸道路にバイクを止めてオレンジ色の街並に目を細めて眺めながら言った。 うわぁーなんてキレイなの、ねぇ見て!と言って翔子は夕日に染まった街のオレンジ色をゆっくり吸い込むように深呼吸した。そして急に後ろを向いたかと思うと、俺の胸に抱き着いてきて「ありがとう」って言って来た。この時の翔子の顔がオレンジ色の太陽に照らされて目に焼きつくほどに美しかった。翔子は、今までの女とは全く違う荒削りな強さの中に輝く美しさがある。俺は、この女が純粋に欲しいと思った。
夕暮れの幻想的なゴールデンタイムが終わり、闇が迫ってきた頃に7月とは思えないくらいの冷たい風が海岸線に走った。おい、翔子、帰りは俺が運転するから後ろに乗んなって言ったら素直にシートをズレた。帰りは来た道のりを戻って代田橋まで行った。その時、突然に、あっ、そこを入ってと言われ、俺は言うままに裏路地を抜けて行った。あっ、止まって、早くエンジン切って、あそこの角の薬局がアタシんちなんだ。翔子がそう言って指を刺した方を見て、へえー薬屋さん? そう、二階の角の所がアタシの部屋なの、判る?んん、判ったよ!って言って、バイクの横に立っていた翔子を左手で抱え込むように強く抱き寄せた。ちょっとビックリしてキャッって言ったが、スグにギュッと抱き返してきて大きな胸が俺の左脇にしっくり納まった。そして、俺の鼻が翔子の首筋にあたってとても男をそそる爽やかで甘い女の香りがして来た。俺が首筋にやさしく軽いキスをしたら、身体がビクッと反応して、んっ、と言う泣きそうな甘えた声で俺に身をまかせて来た。その時、俺は、そっと唇を重ねた。次の瞬間、翔子の方から激しく舌を絡ませてきた。それも、怒涛のようにグイグイ絡まらせてきたので、一瞬、俺の方がビビッテしまった。 いやぁ~、この女激しい! その激しさはバイクの乗り方とまるでいっしょだった。この時、俺は翔子と初めてのキスをした。激しく反応していた翔子は、突然、ハッと我にかえり唇をはずしてパッと俺から離れた。あっ、ゴメン、アタシ、あんたに入っちゃった。そう言って肩をすぼめて恥かしそうにした仕草は未だ幼さの残る16歳の少女だった。なあ、この次、どうやって会える?俺がそう聞くと、もう家知ってるでしょう。部屋も判るでしょう。電話番号は薬局だから看板に書いてあるでしょう。その上、口の中もグルグル舌で探検してみーんな知っちゃったよね! はぁ~? あとこん中グルグルしたいんだぁ~スケベ!って言って自分でパンツの前を引っ張ってアソコを見て、俺の顔面にパンチ喰らわせやがった。俺は、バカヤローって言って頭をゴツンってやろうとしたら、サッと避けられて首ねっこ掴まれてチュッって頬に軽いキスされた。俺ぁだいぶもてあそばれて居るようだ。今までの女の常識がすべて通用しない女、いいね、この女、こう云うの好きだな! 俺は、週末の土曜日に初めて出会った上原の自販機の所で待ち合わせをした。翔子には言っていなかったが、この日の夜は集会でけっこう集まる予定だったのでどうしてもこの女を連れて行きたかった。
七月の日差しは、俺の顔を二日酔いの爺いの鼻のように真っ赤にしてくれた。この頃は、バイザーも、シールドもしないでフルヘルを被っていたので昼間走っているとスグに鼻だけ日焼けしてしまう。自販機の所に着くと、すでに翔子が待っていてくれた。日焼けした肌に真っ白のプカシェルを着けていて、それが、とても新鮮だった。翔子は、俺の顔を見るなりイキナリ噴出しやがって、なあに?昼間どこか行ってたの?鼻がトナカイさんじゃんって言われた。実際、ヒリヒリしていてたまらなかった。俺は、不機嫌を装ってウルセーって一喝してやったが、まったく動じていない。それどころか、今日は、どこに行くのって急かすように聞いてきたから、今日は土曜日だろう?そう言うと、えっ?嘘!もしかして集会?ヤダ!じゃあ、アタシ着替えてくるから家によって、お願い、そう言うと、スタスタ俺のバイクに跨って運転しようとするから、今日は、ダメだよ!俺が運転すると言って後ろに乗せた。バイクで走りながら何で着替えるんだ?って聞いたら、集会でしょう? その辺の尻軽女みたいにチャラチャラした格好して後ろ乗っていたら、アンタが格好悪いでしょう。 ねェ、高輪の近野君! えっ?、なんで俺の地元知ってるんだ? アンタさあ、東京に居て不良やっててアンタのこと知らない人が居るわけ無いでしょう。この紫のバイク見てジョーカーのステッカー貼ってあって近野って言ったら高輪の近野って言う特攻隊長のキチガイしか居ないでしょう? あー?なんだって?俺はキチガイってか? アタシねェ地元の先輩に聞いたらさァ、近野って、あいつ、中三の時から五反田の国栄会って言うヤクザの予備軍に入っていて喧嘩の相手もヤクザばかり相手にしていてキチガイだから傍によらない方が良いって言われた。でも、なんか、最近、暴走族のケツ持ち始めてから集会が楽しくなってバイクに乗り始めてジョー-カーやってるって噂で聞いたけど、今はアイツどうなんだろうって?所詮ヤーコーやってた奴なんだからヤバイって、みんなアタシのことスゴクく心配してくれて売られちゃうんじゃあないかとか言ってね。そんでさあ、話がたった一日で広がっちゃって、とうとう地元のイッコ上の佐東君がね、俺が近野と話を着けてやるって言い出して、その前に、あんたの事を2コ上の先輩に聞いたら、あんたが地元の5コ上の先輩までみんな〆ちゃって、ついこのあいだも、ジョーカーの高輪のアタマやってる加納君を〆たって聞いたら顔色変わって黙っちゃって、知らない内に溜まり場のサテンから居なくなって帰っちゃったのよ~、そう言うと翔子は、アッハッハッって笑って嬉しそうにしている。佐東にとっての加納は同じ年代の仲間で喧嘩も強いし根性もある頼れる男だったので、あの加納がやられたって聞いた時に完全に戦意喪失してしまったそうだ。そんでさァ、そん時、聞いたんだけど、あんた、中二の時に向かいの東海大付属高校の連中に中三の先輩がカツアゲされたって泣きつかれた時、鉄パイプ持って高校に殴り込み行ったんだって? それ聞いた時さぁ、はぁ~中二で高校生?あいつだいぶ狂ってる奴なのねェ~?って思ったのよ、正直、今日、誘われたのも、どうしようかなって思ってたんだけど、皆が言ってるアンタの噂とホントのアンタって違うって、アタシ、そう思ったの、そう言うとスッとバイクに跨って、早く行こうよって後ろから、わざと大きい胸を押し付けて来た。おい、そんなに胸を押し付けてきたら、俺、発情しちゃうだろうって言ったら、イキナリ、これかァー?って言って後ろから手を伸ばしてタマを握ってきた。俺は突然の事とズッキーと来た激痛にウォー!って叫んでしまった。な、ナニすんだー!って言ったら、アハッハッ、痛かったー? ゴメンねェ~へへへ、あ、と、で、やさしく、して、あげるからーって意味ありげな返事をして来たのだった。俺は、その一言が、スゴク、スゴク気になった。上原を出て翔子の家に着いてから5分もしない内に戦闘服に着替えて来たが、それが、サマになって居るのでビックリした。 おい!似合うじゃ無ェか?そう言うと、こっちを向いてガン飛ばすポーズをつくってから、よーし、掛かって来な!って声を荒げて言って来たので、俺も調子を合わせて少し真顔で言ってやった。オゥ!今夜、ヤッテ、やろうじゃあ無ェか、今夜な!って言ってやったら、えっ?ナニ?今日するの?ヤダ、ホントに?ホント?って言って、チョット慌ててマジに成っていたから笑っちまった。俺は、着替えた翔子を乗せて二人で「高輪のロロ前」に向かった。この辺りは、何だか知らねェが、最近、プラチナ通りとか言って気取ったお嬢さんやセレブの住む街に成って来たらしいが、ココこそ暴走族の聖地、伝説のロロ前って言う所だ。集合時間は夜の9時なので未だ時間があったから地元の後輩達の集まっている国道1号線沿いの「24」に行った。ニイヨンとは、24時間営業の立ち食いそば屋の事で何のことは無い、この頃はファミレスとか無かったので、みんなこんな所に集まっていたのだ。これが地方の族になると「めし処」なんて書いてある店の前に集まっていて、今の時代の連中が見たら噴出しちまう様な背景だった。俺が24に着くと既に数台の車とバイクが集まっていた。数人が、俺のバイクを見つけると散らばっていた後輩たちが、ドッと出て来て20人くらいが整列して挨拶をして来た。オゥ!俺が、そう言うと一人目を丸くして前に出てきた。べムだ!「コイツは単車のアタマをやっていて、この後、ジョーカーズと全狂連の歴史上、いや、暴走族の歴史と言っても過言ではない程の伝説の走りを見せてくれた男である。」
あれ?先輩、後ろ、誰ですか?早くも見たことの無い女を見つけた。 んん~、コイツはね、翔子って言うんだよ、俺の女だ! そう言うとバイクから降りてペコリと後輩達に挨拶した。
二人は、付き合っても居ないし恋人同士でも無い、今日が始めてのデートみたいなモノだったんだが、俺が突然に「俺の女だ!」って言って紹介したら否定するでも無く仲間に挨拶をするところを見ると本人も、そんな気持ちでいるのが判った。それよりも俺の顔を潰したくないって云う気使いで戦闘服に着替えた所が気に入った。高輪の後輩達は、全員、翔子に向かって、一斉にヨロシクお願いします!って言った。いや、言ったんだろうけど、ほとんど言葉に成っていなかった。当時の暴走族特有の言葉使いだった。最近、暴走族がネットに出ているのをよく目にするが、土曜の夜の~なんとか連合、ヨロシク~!とかやっているのを見ると、こっちが恥かしくなってしまうくらいカッコ悪い。だいたい、あの、ヨロシクー!って言うのは、矢沢が始めた言い方で俺たち山の手の暴走族にしてみたら、矢沢も、クールスも、ただのイナカッペでしか無かった。だから「ヨロシク~!」なんて言われたら「オラはイナカッペ~!」って言ってる様にしか聞こえない。特に原宿ジョーカーの連中と日曜日のホコ天で表参道を歩いていると、足の先から頭の先までビシーっとキメテ、どーだ!って感じで歩いている連中がいるけど、俺たちは、それ見て、ひゃ~ヤッテル、ヤッテルって笑っていたんだから可哀相だ。そのカッペの大本山がクールスと矢沢だろう。田舎の暴走族は、そんな事は知る由も無いので、ハンパな格好で歩いて居たら東京の族に馬鹿にされると思ってビシーっと決めてクールスや矢沢みたいにして来るんだね。ところが、東京の連中は、パジャマに雪駄で歩いていたり戦闘服を着崩して正反対のド派手なシャツを着てアクセントにしてコーディネートしてみたり、ヤッパリ、どこか垢抜けている。あの時代は、新人のタレントや歌手も暴走族と関連が無いと今ひとつパッとしないので、わざと、元、どこ何所のチームだったとかスクープさせたり、族のチームのジャンパーを着て雑誌に出てみたりして話題性を作っていた時代だった。新聞や雑誌、テレビにも毎週のように出ていて、まあ、芸能人ばりの扱いだったって訳だ。その中でも抜きん出て垢抜けていたのがJOKER’S ってわけで東京の山の手に陣取っていて自分達の縄張りを守るのに大変な思いをしていたのも事実だ。何しろ近郊の地方都市や、あらゆる所から、青山、原宿、渋谷を目指して上って来るんだから、地元のコッチは、たまったもんじゃあ無い!この頃は、ジョーカーの総本部は目黒にあって四代目総会長の大岩秀人って言う暴走族伝説の危血害がアタマやっていて、俺も、この人の危血害には、敵わなかった。何しろヤキがハンパじゃあ無くって後輩はモチロン、同級生や先輩達までビビッて居た。そんな時代背景の中の集会なので以前のジョーカーように、みんなで走って楽しいだけの集まりとは一線を画していた。おい、お前ぇら、遅れると大岩君にヤキ入れられんから、そろそろロロ前に移動するぞー!そう云うと全員一斉に、ハイッ!と声を揃えて立ち上がった。同級生の連中と地元の後輩たちの単車が15台、それと、2コ上の先輩がクルマで4台、俺を入れて単車16台か、まあ、小さな支部ってとこかな?それでも走り出せば、一丁前の爆音を轟かせて夜の国道を走る姿は実際よりも多く見えてサマに成っている。地元なのでロロ前間までは5分もしないで到着した。それからスグにJOKER’S 四代目総会長の大岩秀人の自宅まで迎えに行かないと成らない。俺が行かないと機嫌が悪くなるからよ、それと、みんなビビッて行きたがらないし、そう言って、翔子を暫しロロ前で後輩達と待っているように言ってから同級生の大林と俺で目黒の自宅に迎えに行った。大岩君の自宅は目黒駅の脇を入った当時では高級マンションで芸能人や女性プロボーラーの中山律子が住んでいるマンションだった。マンションに着くと、お抱え運転手で蒲田の1コ上の先輩で吉木君が来ていた。あとは、ぱらぱらと蒲田の単車が3台くらい居た。それと、スペクターの5ツくらい年の離れた先輩がいて、いつも大岩君と連んでいてSPECTER の集会に行かないでジョーカーの集会にばかり来ている人だった。あっ、先輩、こんばんわッス!軽い挨拶をすると怖い顔を車からだして満遍の笑みを見せて、ヨォ!だって、
ところが、この先輩から衝撃の一言!おまえ、翔子と付き合って居るんだって?、、、はぁ~?なんで先輩が知ってるんッスか? だってよ、この前、女がバイク運転して二ケツで後ろに男乗せて第三京浜を後ろから凄いスピードで俺を抜いて行ったからパッて見たんだけど、よく判んなくって、でも、こんな運転する女はゼッタイ翔子だって思ったから、そのあと後輩に聞いたらお前の名前が出て来たんだ。スグに追いかけたけど全然追い付けなかったよ!そう言えばバイクもお前のみたいだったから間違えないだろうって言ってたんだ。だってよー、女でよー、あんなにカッ飛ばすの他にいないだろう? そんでよー、翔子の地元の先輩連中が高輪のキチガイみたいなヤクザ野郎に地元の女の後輩がさらわれたって大騒ぎしてたから、俺、昨日、見たよって言ってやったら、どうでした?翔子大丈夫でしたか?って言うから、男から単車取り上げて、第三京浜カッ飛んでいたぞって言ったら、えっ?えっ?って、目が点になってたよ!笑っちまうよなーって言いながら豪快に笑っていた。それで、その先輩が、俺、翔子って知ってるけど、軽い女じゃあ無いから付き合うならよ、ちゃんと相手の親に挨拶しておけよ、代田橋に住んで居るから、今度、連れて行ってやろうか?って先輩がそう言ったので、いえ、もう、知っていますよ、薬屋さんの娘ですよねって、俺がそう言うと、ん?おまえ知らないのか?って言われた。意味ありげな言葉だったので、何がですか?って聞き返したら、馬鹿、あいつの親父さん「麻取り」だよって言われて、俺は、出された言葉の認識に戸惑い、一瞬、何が起きたのか判らないくらいの衝撃だった。「麻取り」正式には「麻薬取締官」の事である。警察官の娘よりも厄介だった。俺は、その瞬間からワクワクしていた浮わっ付いた気持ちがブッ飛んでしまい頭の中は手を出したら「逮捕!」「逮捕!」「逮捕!」で埋まってしまった。集会前の高揚感も吹っ飛んでしまい暗い顔していると大岩君が下りて来た。みんな一斉に挨拶をした。オゥ、待たせたな! そう言うと蒲田の吉木君の後ろに乗ってロロ前まで移動した。
ロロ前に着くと既に、恵比寿、渋谷、原宿、世田谷、代々木八幡、中目黒、深川と集まって来ていて、ちょっと遅れて蒲田軍団が来た。当時は蒲田だけで100台くらい居てバイクも車もキマッテいた。大岩君が参上すると全員が立ち上がり怒涛のように一斉に挨拶した。最近、よく見かける暴力団の会合の動画なんてモノじゃあ無い!この当時の暴走族の方がよっぽど迫力があった。高輪の連中の居る方に行くと翔子が後輩や先輩達に取り囲まれていた。オウ、待たせたな!そう言うと、高輪の人ってホントに面白いね。もう、笑いっぱなしでお腹が痛いわ!翔子はそう言って、また、連中とゲラゲラ馬鹿笑いしていた。おい、静かにしろよ!大岩君が来ているんだからって言うと、全員一瞬で静かに成ってしまった。大岩君が、今日のコースの説明をして、途中、ハグレたら青山のユアーズ前で待っていろと言うと、大岩君の掛け声で出るぞー!と言った途端に、数百台いるマシンが一斉にエンジンを掛けて発進した。その瞬間のエギゾーストノートは、F-1のスタートの時のそれより凄まじいものであった。ゴーッと言う地響きと共に白金トンネルを抜けて大井埠頭めがけて一斉に暴走が始まった。鮫洲を抜けて大井埠頭に着くと、まず、CRS の溜まり場の橋を過ぎて右に回って先の陸橋の所をUターンした所がジョーカーの集まる場所だった。都内の支部が到着して20分くらいすると、浦和、川口、大宮、入間、そして、大所帯の茨城軍団がやって来た。あっという間に倍くらいの台数に成ってしまった。どの位いるだろうか?ざっと数えても300台いや350台?その位だろうか?こんなに多いのは初めてだったので、俺も、かなりテンションが上がっていて、一瞬だが、「翔子」「麻取り」「逮捕」の構図から我を忘れていた。大岩君の出るぞー!と言う号令と共に ル・マン耐久レースの様に一斉にマシンに駆け寄りエンジンをスタートさせる。ロロ前の時のそれよりも強烈な爆音で一斉にスタートするものだから途轍もない地響きと、エギゾーストバイブレーションが身体を突き抜けていく。これだー! この爆音が暴走族のすべてなんだ! この爆音は50台や100台では出せない、最低200台、300台いないと、これは経験できないバイブレーションであり、まるで龍が吼えながら街道をうねり歩くような感じである。夜中のハイウェイで自分達に逆らうモノは無く天下無敵に成ってしまったような錯覚におちいる。
ゴォーと言う大地震の前兆の様な地響きと共にクォーン、クォーンというかん高いエギゾーストの高周波と入り交じって絶妙の振動をつくって魂を揺さぶってくれる。 ハッと気付くと翔子がステップの上に立っている。おい、落ちるなよ! そう言うと前のステップに足を乗せてきて、ねェ、運転させて!あたし、もう、たまんない!そう言うと俺を跨ぐように前のシートに滑り込んだ。族の連中は走りながら前後の運転を変わる技はフツーにやってのけるが、一般人が見ると、まるでサーカスの曲芸にでも見えるのだろう?環七に集まっている観衆は目を丸くしていた。 この時代の暴走族は、今の時代のマスコミにつくられた迷惑団体では無かった。当時は国家権力と戦う少年ヒーロー達だった。環七、環八や各国道の信号や交差点には、土曜の夜に成ると、まるで花火観賞のように数百人づつの群集が集まってきてガンバレヨー!とか警察なんかに負けるなよー!とか応援の声を掛けてくれたものだった。新聞雑誌も特集すると売れ行きがグンと伸びて左翼連中は自分達の学生運動の時に警察と戦った思い出を暴走族に重ねてきて取分け勤労少年の苦しみのはけ口とか文明の歪とか聞こえの良い言葉でいっぱい飾ってくれていた。あの四代目引退記念のステッカーも、そんな新聞雑誌のルポライターや記者の作った暴走族賛美の声を重ね合わせた集大成だった。今で言う追っかけのような者まで存在した。当時、デビューしたマッチとかトシちゃんとかよりも確実にファンも多く女にもモテたし有名人だった。そんな時代背景の中で女がバイクに乗って暴走族やっていたら、そりゃあハンパじゃあ無く有名になった。さあ、環七の群集の前で翔子に運転変わったら、観衆がわァーって拍手!それに調子にのった翔子は、途端にローリング切ってスッパン、スッパン、ステップを擦って火花を散らすわ、フロント上げてウィリーするわ、ホントの曲芸になって来ちゃったから観衆も大喜びで、オオー!女だー! スゲー!って拍手している。俺は、後ろに乗っていてぐるぐるして来ちまった。そんな調子で環七から環八に抜けて第三京浜に入り、保土ヶ谷料金所までレースって言う事で第三に入ってからスタートした。みんな、一斉にフルスロットルでクォーーンと言うカン高いエギゾーストノートを響かせて怒涛のように地響きをさせて夜中のハイウェイに吸い込まれて行った。翔子は思いっきり身体を屈めて空気抵抗を減らせてスピードを稼ごうとしてスロットルを全開にしていた。後部席からチラッとメーターを見たら180キロのメーターを振り切って針が真下近くを指していた。200キロ超えているのは判ったが風が痛くて涙が切れる。ゆるいコーナーがあるとほんの少しだけ減速するが、あとは、ほぼ、全てフルスロットルだった。クオーーンという高回転のエグゾーストサウンドと風圧に圧倒されてしまった。一瞬だが、激しい音と風の中で無我の境地に到達していた。これは、あの時を知っている者にしか理解できないであろう。最後のコーナーの手前で、だいぶ減速してから皆で仲良く料金所をブッチギってパーキングエリアに集まった。 バイクを止めると、みんな翔子の方によって来て、えーっ!ヤッパリ女? あーっヤッパリ翔子だ! なんで、今野と居るの? みんな、そんな事を口にしながら集まってくる。俺が覚えているだけでも20台以上のバイクをブッチギっていたからな!でも、サスガに吉木君とべム、モグには、だいぶ離されていた。ゆるいコーナーと言っても、ちょっとした飛ばし屋でも進入速度が160キロ位で入るコーナーなんだけど、翔子は、そこを180キロ位で入って行く、だけど、吉木君やべムは全く減速しないでフルスロットルで入って行くキチガイだ。俺の中では、コイツラは何時か死んでしまうと思っていた。翔子が言った。ねえ、このバイクめっちゃくちゃ調子良い!アクセル開けた時の加速感が他のヨンフォアと違って腰からドンって来るよねぇ!当たり前だろう。ピストン400ccじゃあ無いんだから、このマシンは500ccのピストン入れて、その上、電装系もキャブもカムも変えてあるしアクセル開度も47°にしてあるから、チョット開けただけでグンって出ちまうから危ねぇって言ってるだろう。
おまえ女のクセによくこんなピーキーなマシンに乗れるよな!ビックリしたよって言うと嬉しそうな顔して、へぇへぇ~上手いでしょう!って言って俺の腕を引っ張るように抱え込んできて、甘えるような上目使いで、ねぇ、ねぇ、アタシを、丸ごとあげるからさァ、このマシンちょうだい!ねぇ、ねぇ、お願いよぉーって言ったきた。俺は、バカヤロー、マシンは族の命だ!って言いながら両手を取って翔子を引き寄せてギュッと抱きしめ思いっきりグルグルと振り回してやった。キャーッ、ダメー!お願いー!アタシこれダメなのォー!暫らく本気でブン回していたら、俺の方まで目が回って来たので、一旦止めて翔子を地面に置いた。ウーッ、目ぇ回るー!気持ち悪いー、ゲロ出そー、オェー、もう、ダメー!翔子が呻き声を出してマジで苦しんでいるのを見て、あれ?チョット回しすぎたかな?って思ったので、ダイジョーブかぁ?そんなに効いちゃった?って言ったら、マジ声で「だから止めてって言ったんだよー!」って怒られちゃった。アタシ、これやられると子供の頃から暫らく気持ち悪くなって元に戻らないのよ!せっかくの集会を台無しにしないでよ!って言って怒ってる。でも、ホントに苦しそうだった。そんな時に、そろそろ都内に戻るぞーって大岩君の掛け声が聞こえたので翔子にバイク乗れるかって聞いたら首を横に振っていたから、その時、初めて、ありゃーこりゃぁーかなり重症なんだって思った。だって、どしゃ降りでもバイクに乗ろうとする程、バイクが好きなのに乗れないって言うからには余程なんだなって思って、俺も少し反省した。 仕方が無いので高輪の2コ上の先輩のオバチンの710ブルに乗せてもらって都内に戻った。帰りのレースは青山のユアーズ前までで、俺は、翔子の変わりに高輪の後輩の安田を乗せて第三を抜けて246に出てから、そのままユアーズ前まで全開で疾走した。途中、後ろから倍くらいのスピードで吉木君とべム、モグが、俺を抜いて行った。コイツラは絶対にキチガイだと思った。そう言えば思い出の中のべム伝説で、こんな事件が有った。湘南をべム、モグ、ヨッチのバイク3台でつるんで走っていたら真っ白の戦闘服着た極悪と名乗る連中に捕まって止められたそうだ。最初はタイマン張ってやるから掛かって来い!と言ってきたそうだが、僕たちは走る為の暴走族ですから喧嘩は嫌だし叩かれるのは、もっと嫌ですって言ったらゲラゲラ笑って、じゃあ暴走族なんだからバイクで勝負してやるって言われて、べムのボロボロのバイクを見て一瞬苦笑いして、これじゃあ、お前たち可哀相だからハンディーやるから先に行けって言ってきた。べム達は言われるままに先に行ったのだが全然来ないので、少し減速して待っていたら、テメーら遅せーぞー!って大声張り上げて怒鳴って、ドピューって抜かして行ったので暫らくしてからアクセルを開けて追跡し始めたらスグに追い付いてしまったから、べムとタイミングを合わせて抜いて行くことにして後ろからアクセルを開けて追い越して行った。横新から第三に抜ける所の左カーブの丁度手前で追い抜いて、そのまま減速しないで左コーナーを160キロくらいで入っていったら、極悪の連中も追い付こうと必死にアクセルを開けたのだろうが、その左コナーを曲がりきれなかった。ドーン、ガッシャーン、と大きい音がしたのでU ターンして見に行ったら3台とも事故っていた。大丈夫ですかァー?って言って近寄って行ったら、ひっくり返ったまんま激痛に耐えている顔していてた。その上、呼吸も苦しそうにしているにも関わらず足をバタバタさせて、こっちの方に蹴りを入れようとしていた。アッチに行けー!コノヤロー!って必死に強がって怒っているけど苦しそうだったので、救急車を呼びましょうかァー?って言ったら、よけいに怒っちゃって、ナメルんじゃあ無ェ!って言って来た。まあ、あんまり関わっても彼ら格好悪いんだろうから、じゃあ、サヨーナラー!と言って帰ってきてしまった。その後、風の噂で下町の族が先週、第三でトラックに煽られて事故ったって聞いた時、ピィーンと来た!アバラ骨が折れてかなり重症だったらしい。もう一件は、首都高速で高速隊の白バイに何処かの族のバイクが追いかけられて居た時に、後ろから白バイと族の間に割って入り、その族を逃がしてやった事があり、その辺りから下町の喧嘩で売っていた硬派の暴走族も、べムには、一目置くようになって来たのだ。当時は、どんなにイキガッタ事を言っていても、白バイ隊には歯が立たなかったし追いかけられたら絶対に捕まってしまうので諦めていた。だが、べムは、違った。むしろ、楽しんでいる気配さえ感じる。これを、筋金入りの暴走族と言う。
一団がユアーズ前に到着すると、みんな一息入れた。この後、都内を流して解散するが、地方からの支部は、既に、夜中の3時を回っていたので支部ごとに帰り始めた。俺は、翔子が心配だったので、オバチンの車に行って翔子の様子を見ようと思って近寄ったら、翔子がひょっこり車から顔を出してきて、俺に、来るんじゃねーよ!バカやロー!って言って来た。俺は、まだ怒ってるのか?って言いながら近づいて行った。そしたら翔子がイキナリ言って来た。ねェ、キスして、キスして、早くゥー、絶対、口の中にゲロしてやるからー!だって、サスガの俺も、もう、判ったよー!って言って謝った。その後、気分を治した翔子が、また、バイクに乗り換えて自分で運転して、ご機嫌になって都内をみんなでカッ飛んでいった。初夏の夜は明けるのが早く全てがブルーに見える幻想的な空間をつくっている。大岩君が再びユアーズ前で解散の号令を掛けてから、支部ごとに帰っていった。今日は、誰もパクラレなかったな!良かった。俺は、翔子を乗せて代々木八幡にある自宅に向かった。途中、俺は、翔子に言った。俺ん家に行こう?聞きたい話があるんだって言ったら、二つ返事で「良いよー!」って言った。後日、判った事だが、この時は、何しろ、俺の家を突き止めたい!って言うのが先で、彼氏の家にお泊まりとか、何かされるとか、そんなチャラチャラした事は、全く考えて居なくって、コイツの家は、何処よー!って言うのと、部屋見て他に女がいるか?確認したくって、早く連れてケー!状態だったらしい。家に着くと、みんな、未だ、寝静まっている様子だった。翔子は、排気ガス臭いのと顔が煤で真っ黒なので兎に角、シャワーを浴びさせてって言うのでタオルと俺のTシャツを貸した。暫くして出てきたので、代わって俺がシャワーを浴びて部屋に戻った。早速、翔子から質問で話ってなあに?って、切り出して来たので、いや、俺、小耳に挟んだんだけど、翔子の親父さんて「麻取」なの?って、単刀直入に聞いた。そうしたら、ん、そうよ、なんで?パパの仕事とアタシと関係無いでしょ? それとも、アンタ麻薬やってるの?そう言ってチラテン切って来た。いやァ~、そうじゃあ無いけど、ヤッパシ、ヤバイじゃん! そう言うと翔子は、アンタ!あたしの事いい加減な気持ちで付き合おうとか思っているの?と言って切り替えしてきてズシッと核心を突かれた。おれは、チョット、ドキッとして、ウッ、ヤベーって思った。そこで、俺は、言ってやった! 俺ァなあ、初めてバイクに、お前を乗せた時から、お前が欲しいって思いが止まんなかった。我慢できねェくらいに欲しいって成っちまった! そう言って翔子を見たら目を丸くしてウルウルしていた。翔子は、スッと膝で立つと静かに俺の方によって来て包み込むように俺に両腕を絡ませてきた。その時、翔子のカタチの良い大きめの胸が、俺の腕と胸に触ってノーブラだって判った。俺は、未だ、16歳、若い盛りの青春つむじ風だ!アソコが竜巻に成って超硬質金属に成るまで3秒と掛からなかった。そのまま、向こうが押し倒したのか?俺が押し倒したのか?激しく抱き合って激しくキスをした。Tシャツに手を入れて胸を触ると俺の手では収まり切れないカタチの良い乳房がズッシリ来て手応えがあった。俺は、Tシャツをめくり上げて乳首に貪りついた。舌を転がして吸うと、身体が、ビクン、ビクンと反応していた。そのまま流れるように手を下ろして行くとパンティーの中に手を入れた。カサカサした少し薄いアソコの毛の奥に手を進めて核心の部分に辿り着いた。東北産の良質な海草の「めかぶ」の、ぬるぬるの様な透明の汁が、そこには大量に放出されていた。それは、必要以上の量があった。でも、その中に存在する「極秘」の部分に、俺は、中指をそっと入れた。翔子は、急に身体を硬直させて呻き声を殺した様な声を漏らし始めた。俺は、言った! ここに入れていい? そうすると翔子は、首をコクリと縦に振って頷いた。俺は、大急ぎで自分のボクサーパンツを下ろした。翔子を下にして、俺が上に成って、チャリンコの両手離しと同じ要領で手を使わずに腰をスッとずらしてゆっくり入れた。その瞬間、翔子は、あ、あ、ああっ、ぐっ、ぐぁぁーって獣のような声をあげた。俺が奥まで入れると、身体を小刻みに震わせて同時に股間も震えてた。俺は、中がとても暖かくニュルニュルの液体に絡まれて、もう、どうにも成らなく成ってしまって、とうとう我慢できずにドッぴゅ―しちまった。この時は、ホントにドックンドックン出しちまって大量だった。終わって連結部分を外そうとしたら、その時、翔子が、ダメ、外すさないでって言って両足で俺を挟んできた。ヤベーよ!出来ちゃうよ!って言ったら、出来てもいいもん!アタシ、アンタも、アンタの赤ちゃんも、全部、欲しいのォ!って言って来た。俺は、なんて激しい女なんだって思った。そして俺は、翔子を暫くの間、強く、強く、抱きしめてやった。
俺たちは、全ての思いを遂げて神の御元に居るような幸福な時間の中で深い深い眠りの森に入って行った。
雨の向こうに @yomigaeri
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