1話 仮面

「あぁ、順調だよ...」

静けさは時に不幸の始まりの合図になる。静けさは時に引きずり落とす魔の手になる。その静けさが今、やって来た。

「しっかり始末するよ、あの女を」

にやける男の翼は光を放つ。

「あぁ、分かった。」

プープープー。電話をきった音が鳴り響く。

「よし、奴も動き出した。第1段階だ...分かってるよな?レイ?」


「はい。」

動くのは、株だけじゃないのだ。



「なんで翼ないんだよ?」

クラスはざわめく...そりゃそうだな。

「幼い頃にもがされたんだよ。」

「「え!!」」

うざったい反応。

それよりこいつ...

アーライトパイレーツ、こいつはソームパイレーツの息子であり、未来はこいつが政治を握るかもしれない。

長年ここまでやってきたんだ。

「な、なぜなんだい?」

じっくりと

「おーい!聞いてるの?」

「ん、あー聞いてるよ。」

「昔から羽が機能しなくてさ...それでなくてもいいかなって」

否、昔から俺にはない。

「そーか...あ、紹介遅れたな。俺がミトーネジョイ。でこの坊主がハハヤナタリヤ。」

「坊主だけど女だから...よろしくね。」

濃いが興味はない。

「よろしく。」

「で、こいつがアーライトパイレーツで、そこのデブがタージスルーペだ。」

この国の名前はどいつも変だ。

「よろしく。」

「よろジグ。」

まだ他にもこの国に貢献しそうな奴がわんさかいやがる。この高校はなんせ有能しか集まらない。

「これからよろしくな!」


キーンコーンカーンコーン

帰りのチャイム。

「おーい!ナイト一緒に帰ろーぜ!どっちからきたの?」

頭はいいはずだがな...なかなか馬鹿みたいな行動しかしない奴だな。

「あぁ。帰ろうか。」

5人で帰るらしい。

「いつもはお前入れないで5人で帰ってんだぜ。」

一人いないのか。

河川敷が横にある。あいにく帰り道は一緒だ。みんな

だがすぐに2人になった。俺と坊主。

「な、なんで坊主なんだ?」

聞いてしまった。

「これは仕事だ。坊さんさ、普通は高校生の女の子はやらない。」

知らなくはないが...

「やっぱり家系か?」

「違う。復讐」

「復讐?」

木魚を打つ理由が復讐か。面白い。

「あぁ、父の話だ。そいつはなんにもしなかった。家にいるだけ。ある日言ってみたんだ。

「何かこの家のためにしてみたことはあるか」って、そいつは言った「じゃーお前はこの家に貢献したか」ってそのまま言葉を返された。」

「それが?」

「ある日そいつは死んだ。仕事中だったらしい、そいつは新聞配達していたらしい。飛行してい天使族が降ってきたらしい。後から見つかったが毎日毎日1人しかいない娘に言葉を残していたらしい。

「家で俺よりなんもしないなら外に出ろ。髪をまるめろ。心を清めろ。」

そして紹介を受けた人物はお坊さんだったんだ。」

「そーか。」

「今でもなぜこの仕事を進めてきたか知らない。」

和と呼ばれるものだな。

少し近づいたのかもしれない。

そして近づいてきているかもしれない。


放課後まで後少しだ。

あれから一週間はたっただろうか。

もう1人は来ない。不登校なんだろうか...

そして理解できてきた。この場所、この人物、この世界を。

だが、動き始めたな。もうつけてきているんだろう。この存在も、奴の存在もお互いバレているという訳か...

しかし学校の椅子と机は気が和む。

「やっと休みだぜ〜。」

「あーそーだな。」

キーンコーンカーンコーン

さっと立ち上った。

そしてカバンを持ち。

教室を出た。


「動きました。こちらの存在に気づいた模様。はい。はい。了解。」

二人組。学校向かいのビル。

「チッあんなクソガキほっとけよな!意味ねーよ。たかが悪魔の生き残りだろ。もう政府は隠しきれねんだしよ。」

「隠し切らなきゃでしょ...」

「バレるだろ!まぁーバレたらヤベーごとになるだろうな。」

1人は監視役、1人は寝っ転がっている。

「結局、正国が正しいんだよ。しょーもない魔族なんか滅びる運命なんさ。」

「そうかもな...」

いつの間にか彼らの後ろには仮面を被った男がいる。半分は真っ黒に覆われ半分は白に覆われている仮面。

「で、てめぇはっ」

一瞬だった。

寝っ転がってほざいていた奴の頭は吹っ飛んだ。血は花火のように

「魔国は正国が壊さなくても、崩れ落ちていったろうな...」

もう1人はあまりの一瞬なできごとで言葉を失う。

「だが、間違いを起こした。」

「その間違いは必ず消えはしない。」

「どんなに死んでも死んでも死んでも償うことはできない。」

仮面の男の手にあるナタから血が垂れる。

「そんな罪はこの悪魔の片割れが罰する。」

「じっくり、じっくり」

「脳みそえぐって」

「腹わたえぐって」

「大腸綱引き、背骨で野球か?」

首を掴み、何度も刺した。

「正国、今に見てろ!!!!俺はこのナイトオブハーバーは...」

死体を蹴り上げ生存確認。

「動き出したぞ。」

あぁむなしき風よ、永遠に。


「政治家は全滅させるだろ。」

「そんで挑んでくる雑魚も。」

「政府は消すよ。」

おばあちゃんの料理はとても美味しい。

「うん、頑張りなね。」

「ありがとう。ばあちゃん。」

次は、どうしようか。

時間はない。

「ばあちゃん、このスープどうやって作るの?」


俺は決して焦らない。

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悪魔の欠片 復活 : 吐いタク @takakunaiyama

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