生きてきた中で、嫌なことや苦しかったこと、辛かったこと経験は誰しもあると思います。記憶から消すことができたら、どんなに楽か、とも。しかし、いざ消せることが可能だとしても、その先の未来に必ずしも光が待っているとは限りません。恋愛も、仕事も、人生も、成功と失敗と後悔が重なり合って成り立っているのです。
その全てとは言わない、あの時、あの部分だけでも消し去ることが出来るのならば。重ねられた願いは、確実に変化をもたらし、それを目の当たりにした主人公の心もまたもがきながら変化を遂げていく。そしてたどり着いた3つ目の願い。あなたなら、何を願いますか。
現実を受け入れられず、過去のある時点で、もう一度やり直したいという願いが、主人公の想いと交錯していく展開に魅せられました。過去を変えることで未来が救われる、本作品が発信しているのは、そんなありきたりのメッセージではなく、むしろ救われない未来に気付くことで、過去を変えることの意味を問いかけてきます。
一話目ですが、奇跡を使った結果に納得させられました。こういう話の流れは好きです。文章が読みやすく、天使の台詞回しがよかったので続きにも期待