最近、異世界を舞台にした様々な小説が広がってきています。
私もその風潮のせいか、そのような作品を数多く読んできました。
しかしながら、この頃気づいたことがあります。
それは、キャラクターが人物として物語の中で生きていると感じられるものが少ないということです。私もうまく言い表すことが出来ませんが、異世界ファンタジーではやはり舞台が舞台なだけあって、そこに生きる人々をどのように描くのかは非常に難しいのだと思います。現実世界ならば、実際に外を出歩いてみたり、人々を観察したりすることで得られるものが大きいのかもしれませんが、「異世界」となるとそうもいかないことが多いです。
冗長に書きましたが、私はこの小説を読んで「人が生きている。」と感じました。
主人公の村での様子。一見悪役に見えるあいつも実は人間の心をしっかり持っていて、物語の中で成長しています。もしかしたら私が気が付いていないどこかにもまだそういった点が残されているかもしれません。細かいところにも妥協せず、人物を、世界を作る要素がきちんとちりばめられており、本当に読んでいて幸せでした。
最後に、こんな幸せに生きた家族を人々を書いてくれた作者様にお礼申し上げます。
タイトルで少しコメディなのかな?と思ってしまうかもしれませんが、いやいやいや。これほどの愛情深いファンタジーは数少ないと断言できます。
読み始めはヒロインの横暴さに疑問と不満を覚えるかもしれません。
そこで拝読を止める人はそのまま『静かに』止めればいい。
この作品の芯となり この作品は全て愛情で作られている事に気付けないまま。
それほどに主人公ルークとヒロインのアリアの愛情が詰まった作品です。
ファンタジーなのに世界平和までの描写がトップギアで進む(笑)
それは作品・作者・読み手の中であまり必要ではなく(拝読すれば納得される)そのスピードこそ逆に主人公の気持ちを現すのに的確な描写であると思う。そのスピード感でありながらも主人公からヒロインへの愛と想いがしっかりと書かれている。
そして感動の完結を迎えるのだが、その後にも番外編・続編と執筆されている物語が本編とは違った新たな愛情と癒しを与えてくれる物語になっている。
皆さんにも同じ感動を共有してもらいたい。