二の森学園監禁部！

あの裏側では手抜き実況が行われていた

？？「では、第ｎ回、二の森学園監禁部の開催を今ここに宣言します！」

？？「はーい……はあ、面倒」

杜子「実況は監禁部部長、宗条杜子と――？」

凛子「宗条凛子がお送りさせていただきます……はぁ」

杜子「リンリンリン！　テンションが低いよー！　低きこと凛子の如くだよ～」

凛子「うぜぇ、はあ、今回の被害者はえーっと、ペーパーペーパー、ああ、ありました。相田翔太、福宮郁ですね」

杜子「あーもう、凛子ちゃんしっかりしてよ～！　実況生放送が売りの監禁部なんだから、ペーパーとか言っちゃダメ！　めっ！」

凛子「……臨場感が大事とか言って、被害者の名前しかわからないペーパーを渡したのは姉さんなんですが？」

杜子「さて、いつものアナウンス！　行ってみよー！　スイッチ、オン！　ぽちっとな！」

凛子「露骨に話を逸らしましたね……」

『ぴんぽんぱんぽん！　おはようございます、二の森学園監禁部です。相田翔太さん、福宮郁さん。ようこそ、ピーしないと出れない部屋へ！』

杜子「ルール説明も終わったし、さて、具体的に実況を初めていくわけだけど、凛子ちゃん。今日のぴーは？」

凛子「……知っているわけ無いでしょう？　私の話、聞いてましたか？」

杜子「過去のことは振り返らない！　私たち監禁部は前だけを見ていくのよ！　今日のぴーはこれ、『相手の肌を舐めること！』。えっちだねえ、えろえろだねえ？　ところで凛子ちゃん！　えっちな舐め舐めしていい？」

凛子「二人のドキドキポイントはまず、ゲーム開始前、相田が福宮の生存確認の際ですね。何かラッキーがあれば、即終了だってのですが、残念です」

杜子「全然残念だよ！　これはもう全学生のエンタメ！　付き合うか付き合わないのか、いやお前たち普通に夫婦かよと言いたくなる二人を応援する番組なんですから、偶然おっぱい揉みましたとか、そういうのじゃ意味がないの！　できればお互いの排泄を目撃するところまでは進めたいんです！」

凛子「それで喜ぶのは姉さんだけです」

杜子「うんうん、姉さんそんなので喜んじゃう変態さんだから凛子ちゃんのえっちなところもえっちな舐め舐めしちゃうの～リンリンリン～！」

凛子「シッ！」

杜子「痛い！　よくもお姉さんを殴ったわね！」

凛子「何か言うことがありますよね？　姉さん」

杜子「ありがとうございます！」

凛子「ほら、さっさと実況を再開してくださいよ、興奮しきりの紳士淑女が耐え切れずに自分で始めてしまいますよ。いい加減にしてくださいよ？　牝豚」

杜子「ありがとうございます！　ありがとうございます！」

杜子「あらかじめ二人の性格について明言しておきますと郁たんはツンデレです。露骨なツンデレです。美少女であることを盾にして好き好き大好きフォーリンラブな相田に熱烈アタックを仕掛けるものの鈍感難聴ヘタレクズアホ野郎であるが故に伝わりません。いや～ん、悲しいィィ～」

凛子「先ほどの、変なことをしないようしっかりと見張っておきなさいって、かなりツンデレですよね。テンプレとしては凄まじいほどの」

杜子「要するに、あたしだけを見て。あんたがあたしだけを見てくれないとあたしは幸せになれないってやつです！」

凛子「それはちょっと違います」

杜子「あのクソチビポーグビッツ野郎、クソかよ死ね何だあのやる気のなさは」

凛子「言葉遣いが迷子ですよ、姉さん。あと生粋の男嫌いである姉さんはこの実況にことごとく向いていないと思うのですが？」

杜子「やだー、凛子ちゃんったら～この口調がいいんじゃない！　そうよねー全国の玉無し包茎短小野郎ども～！」

凛子「うわっ」

杜子「聞こえる、聞こえるわ！　全世界七十億人の変態どもの歓声が！」

凛子「なるほど、つまり、レズビアンもファッションであると。あれだけ私に情熱的に尽くした言葉も全て現の幻まやかしの言葉というわけですね、がっかりです」

杜子「違う！　違うのレズは本当なの！　女の子の柔らかな体がとってもとっても大好きなの！」

凛子「さて、三十分のインターバルですが相田は真面目に福宮を監視してますね。それが嬉し恥ずかしなのか、福宮はチラチラと確認するに留まっています」

杜子「凛子ちゃん！　聞いてるの！？」

凛子「どうかしましたか？　肉欲の姉マン」

杜子「そそそそそ、なんくちちゃー認めげた覚えはなかばいとよ！」

凛子「はい、二回目の質問入りまーす」

凛子「これからは賢者モードに入った姉に変わり、私、宗条凛子一人でお送りさせていただきます」

凛子「二人でいるという状況に感覚が麻痺しているのか、福宮、まるで自重する気がありません」

凛子「ベタベタです。ベタベタに触っています。逞しい腹筋を目の前にしてよだれを垂らしています、ダラダラです」

凛子「あ～あ～、胸焼けするぐらいウザったいですね、学生大喜びのイチャイチャぶりですよ、いや、私、わかりませんけど」

凛子「…………飽きてきました」

凛子「……こんなときこそ、あれですね。もうあれです。姉を使いましょう。書き置きをしておいて、舐め舐めさせておけばおーけーでしょう。はい、お疲れ様でしたー」