第322話 宿命対決、カブトvsオケラⅡ
「うおおおおぉぉッ!」
私はタイミングを合わせ、オ・ケラの左前脚目掛け角を突き出す! 互いの打ち出した攻撃が衝突し、再び凄まじい衝撃音と爆炎が周囲に轟く!
「ジィッッ!」
オ・ケラが右前脚を起爆させ加速、私の頭部目掛け振りかぶってくる。
私はそれを角で受け流し、両前脚の灼熱の爪で反撃する!
「ジィィッ!!」
オ・ケラは真上に跳び上がって灼熱の爪を回避! そのまま両前脚を起爆させ加速し接近し、私目掛け左前脚を振り下ろす!
「くぅっ!!」
私は角で受け流し、オ・ケラは私を通り過ぎるとそのまま反転、再度加速してて私に突っ込んでくる!
オ・ケラの突進に合わせ私も角で迎え撃ち激突する!
爆炎が舞い、衝撃でオ・ケラは後ろに飛ばされながら態勢を整え三度爆速突進を仕掛けてくる!
「ジィィッ!!」
オ・ケラは衝突寸前に両前脚を起爆し加速、私の頭部目掛け左前脚を振りかぶる! 私も角で突き返そうとするが間に合わず右前脚の一撃を受けてしまう。
「ぐあぁっ!!」
私はそのまま吹き飛ばされるが、壁に叩き付けられる寸前で何とか体勢を立て直す!
「ジィィッッ!」
そこへ追撃の加速右打撃が迫る!
私はそれを紙一重で回避し、そのままオ・ケラの胴体目掛け灼熱の角を放つ!
「ジィィィィッッ!?」
灼熱の角が胴体に突き刺さって炎が燃え移り、オ・ケラは苦痛の声を上げる。
「ジ……ィィッ!!」
だがオ・ケラもただではやられないとばかりに両前脚を叩き付けると今まで以上の大爆発を起こす! 爆煙と衝撃が迸り、私の身体が吹き飛ばされる!
「ぐああああああぁっ!!」
私はそのまま壁に衝突する!
……く、くそっ、両前脚に衝撃を与えずに起爆できるが、両前脚を叩き付けた方が威力が高いのか……!
「ジィィィィ……!」
煙が晴れ、壁に付いているオ・ケラの姿が見える。
腹部の傷は浅いようで、まだ戦闘続行は可能のようだ…… しかもさっきの爆風で炎がかき消されてしまったようだな……戦いながらここまで移動してきたが、クルーザーの心臓部は……
ね
私は前脚に装着された魔植王の一部で作られたリングに念じると、枝が伸び斜め下を指した。
心臓部はまだ先か……
オ・ケラが私を睨みつける中、クルーザーの体内が大きく脈動し、壁から今まで以上の巨大百足触手が生えてくる!
「ジィッ!!」
巨大百足触手が迫る中、オ・ケラが両前脚を起爆させ加速、更に前脚を前に構えたまま体を高速回転させ私に向けて突っ込んでくる!
「《灼熱の螺旋槍》ッッ!!」
私も負けじと角に灼熱の炎を纏い、オ・ケラ目掛け高速回転しながら突進! 私とオ・ケラが激突し、衝撃音が響き渡る!
「オオオオォォォォッ!!」
「ジィィィィィッッッ!!」
だがその時、拮抗する私とオ・ケラを、巨大百足触手が大口開けて呑み込んだ!
そのまま私達を丸呑みにした巨大百足触手は口を閉じ、うねるように移動しながら食道内を進み出すが、突如百足触手がボコボコと膨らみ始めた!
「オラァァァァァァッッ!」
「ジィィィィィィィッ!!」
私とオ・ケラが触手内で何度もぶつかり合いながら暴れまくり、衝撃と爆炎が触手内を駆け巡り、限界を超えた巨大百足触手が弾けて爆ぜた!
触手から放り出された私とオ・ケラは即座に体勢を立て直して着地する。
私が周囲を見渡すと、食道よりも広々とした空間になっていて、壁から液体が滴りだしている。
どうやらここは前腸部のようだな。ということは……
私はリングに念を送ると、枝は前腸の内壁を真っ直ぐに指した。
やはりこの壁の先に背脈管、つまり心臓部がある!
しかしどうやってこの壁を突き破る……? ここで魔蟲の流星の最後の一回を使ってしまえば切り札を失う事になる。
だがここを突き抜けなければ心臓部へは辿り着けない……
「ジィィィィィィィィィィッッッ!!!」
私が考えていると、背後のオ・ケラが両前脚をぶつかり合わせながら雄叫びを上げると、全身の甲殻が変形していく!
両前脚は大きく、より鋭くなり、体の甲殻と前翅はより分厚く、頑強さを増した禍々しき姿へ変わった!
「それがお前の切り札か!」
「ジィィィィィィィィィッッ!!」
オ・ケラは両前脚を一つに重ね、前翅をぶつけ合わせると爆炎が噴き出し、私目掛け突っ込んでくる!
虫から始める魔王道 稲生景 @ka1006
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