私ったら、チョーウケるじゃんっ!!(宇宙での冒険-4)

「さてっ行きますか!」

 彼女はにこやかに言った。

 け、けどどうやっていくの??

 私があたふたと一人焦っている中、彼女は行く準備をしている。

 「よしっ行くかっ」

 彼女は右足で少し惑星を蹴ってジャンプした。

 すると、ホープは翼なんて生えてないのに星空を背景にしてくるくる回っている。

 「ねえ、ど、どうやって飛ぶの…?」

 ホープはニコニコしながら待っていたが、突然『あっ飛べないのかっ』と思ったような驚きの表情に変わった。

 「そっか、まだ『飛び方』というか『浮き方』分からないもんね。慣れれば簡単だから!」と言いながら彼女は私に近づいてきた。

 そしてまた惑星についた。

 「えっとね、まずは『私はウケるっ』と自信を持って右足で惑星を蹴ってみて」

 私はウケるっ。お笑いコンテストで5年連続の私ならウケないことはないっ。

 必死にステージの上でお笑いをやって観客が『がっははっは』と笑ってるのを想像しながら右足で軽く惑星を蹴った。


 う、浮かないっ…………。


 「私頑張ってお笑いをやってる自分想像したんだけどなぁ。どっかスベっちゃったか………。

 本気で悩みだした私に対し彼女は笑った。

 「ね、ねえっ、『うける』って『浮ける』っていう意味だよっ?」

 あ、……………。ヤッチモータ……。

 「そそそうだったね…!じゃあもう一回やってみるっ」

 私は耳まで赤くしながら言った。

 今度こそ…私は『ウケる』…じゃなくて『浮ける』大丈夫。

 心の中で五月蝿いほどに繰り返し、右足で軽く蹴った。

 すると、体の力が全て解けて消えたかのように感覚が一瞬消えた。


 ふわりとなる感覚は初めてだ。

 気持ちも一緒にどこかへ行って。

 自然と星空へ近づいて行って…。

 心が全て満たされて消えるような…。


 なんてポエムを考えながら私は上のような気持ちになった。

 「す、すごい!!」

 私は本当に飛べた、、じゃなくて浮けてなんかこの世界に来てよかったと思った。

 コツさえつかめば簡単らしく、『上に行けけっっ!!』って思えば上に行くし、『右へ進めめぇぇっっ!!!』なんて思ったら右へ行く。

 たまに、思った方向じゃない方に行くときがあるのだが…。


 「ど、どうっ!?」


 「うーん。初めてにしては上手いけどまだ一人でどこかには行けない感じかな………?」


 最後の方にボソッと何か言った気がしたか、まあ気のせいだろうっ。

 「それじゃあ、私についてきてっ!」

 話が怖いほどに坦々と進み気がつけば友達ができて初日早々友達のハウスにお邪魔させてもらう感じだ。

 ホープは私のペースに合わせて進んでくれる。

 私はオープの背中を追って進んでいく。

 けどさぁ、たまにぶつかるんだよね。

 えっ、どこにぶつかるって??

 そりゃぁ……………。


 ーホープの背中に決まってんじゃんー

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

パラレルワールド 嫌だなワールド 苺の乗ったチョコレートケーキ @choco052

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ