【第1章】1話 死んだら異世界じゃなくて天国か地獄に行くんじゃないんですか?

「な、なんで異世界に転生なんだよ!」


「なんかわかんないけどボクより上の人が遙くんは異世界に転生させろって言うからさ」


「いやいや。死んだら異世界じゃなくて天国か地獄に行くんじゃないのかよ」


「ほとんどの人はそうだよ。条件を満たしてない人はね。でも君は条件を満たしてしまっている。まぁ条件を満たした人が必ずしも異世界に行くってわけじゃないんだけどね」


「俺の他にも条件を満たして異世界に行ってない奴はどこに行くんだよ」


「いい質問だね。それはね、自分がいた世界に戻るんだ。でも君は何かの素質が異世界で役立つと上の人は思ったんだろうね。だから君は異世界に転生して新たな生活を始めるんだ」


「はァァ!?俺が持ってる何かの素質が異世界に役立つって決められてよくわかりもしない異世界で新たな生活をしろと?!ふざけんなよ!」


「まぁまぁ、落ち着いて。遙くんの気持ちはわかる。だから、君の世界で言われてるいわゆるチート能力というものを異世界に転生した君に授けるよ。まぁこれから君が転生する正体は元々チート能力だらけの生き物でそれに加えてボクからチート能力あげるんだから君はその異世界でも優位な所にいけると思うよ」


「チート能力!?まじか」


「おっと!もう時間だ。」


「は?時間って?」


「君を異世界に送るための時間が決められててね。もう時間だから。まぁ頑張りたまえ!何とかなるもんだよ!多分ね」


「多分ってなんだよ!多分って!」


「じゃ、行ってらっしゃい!異世界生活楽しんで!」


「は、話を聴けぇぇぇぇ!」


よく分からない神様が何かの呪文を言い出した。その瞬間俺が立っていた場所に大きな穴が空いた。


「はァァ!?ちょ、ちょ、ちょっと待ってぇ!落ちる落ちる!」


「大丈夫だよ。何とかなる!頑張って遙くん」


そう言って神様は落ちていく俺に手をヒラヒラとふって俺を見下ろしていた。そして俺は変な浮遊感に気を失った。

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転生先が異世界の吸血鬼だった件 亜紀 @Hiyo0715

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