転生先が異世界の吸血鬼だった件

亜紀

【序章】 運が悪いにも程がある

簡単に自己紹介をしておこうじゃないか。いつ何が起こるかわからないからなっ!

えっと、俺の名前は如月遙キサラギハルカ高校1年生だ。俺は背がちびだし自分ではわからないが友達によると童顔らしくよく年齢を間違えられてしまう。例えば、中学1年生だとか小学校高学年だとか…。まぁまぁ、こんな話はしなくていいよな…。悪いな無駄な時間取っちまって。あ、一応言っとくが背がちびなのはコンプレックスだからあんまり言うなよ?怒るか泣くかするから。

『そこ歩いてる兄ちゃん危ねぇぞ!』

『早く逃げて!トラック……トラックが突っ込んでくる!』

ん?辺りが騒がしい…。そこにいる兄ちゃん?俺のことか?トラックが突っ込んでくる?どういう事だ?


辺りを見渡してみて俺から見て左横を見ると大型トラックが俺めがけて突っ込んできた…。この時俺は、後悔をした。呑気に自己紹介なんかしなきゃよかったと…。


((ドンッ、グシャッ


あぁ。俺の短い人生よ、ありがとう。


『キャーッ!!』

『お、おいっ!さっきの兄ちゃんがトラックに突っ込まれて…』

『誰か救急車!』


俺、ほんとに死ぬのか…。ほんっとに俺運悪いんだよなー。嫌になるぜ…。でも、もう少し生きてたかったな…。高校入ったばっかりだし…。ほんとなにもしてねぇよ…。

((ピーポーピーポー

あ、救急車のサイレンの音だ。もう体なんて動かないし、どうせ助からないんだろうな…。ヤベ、意識が朦朧もうろうとしてきた。死ぬ寸前だな。まぁ俺の人生短かったけど楽しかったさ。


そう思って遙は、意識を手放した。


んんっ…。俺は死んだのか?え、死んだ?死んだなら体なんて動かないはず。てか、なんかふわふわしてる。気持ちぃぃ…ってそんなことをしてる場合じゃない。ここどこだよ。

あ、天国か?!だからこんなに寝っ転がってふわふわしてんだな!なるほどー!

上を向きながら寝っ転がっていたら上から顔を覗かれた。


「お!起きたんだね、遙くん。現世おつかれさま」


「ふぇっ!?だ、誰だお前。」


「ボク?ボクはね君たちの国でいう、いわゆる“神様”ってやつだよ」


「は?神様?じゃあここ、ほんとに天国かよ」


「うーん…。天国って言っちゃ天国だけどここは、条件が決まっててね。来る人が決まってるんだ。」


「条件?来る人が決まってる?じゃあ俺がここにいるのはその条件を満たしてるってことか?」


「お、なかなか話が早いね。まぁそーいう事だよ 。その条件はね、2つあるんだ。一つ目は、成人する前に死んでしまった未成年。未成年って言っても中学生からのだけどね。それより下は条件を満たしてないってことになるんだよ。二つ目は、何かの素質があって未練がある人なんだ。遙くんは何かの素質もあるみたいたいだし未練もあるみたいだしね」


「未練?俺は別に未練なんか…」


「ん?何を言ってるんだい?死ぬ前に『もう少し生きてたかった』って言ってただろ?それを未練というのさ」


「あ、たしかに言った。何もしてない、もう少し生きてたかったってでもそれでその条件を満たした俺はこれからどうなるんだ?」


「遙くん。君は、異世界に転生してもらうよ。異世界で新たな生活を始めるんだ!頑張りたまえ」


「はァァー!?」

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