死にゆくことが宿命の彼女と生き続けることが宿命の彼。この二人が、ともに生きたいと願うことは「我儘」なのだろうか。激情をたたえ、静かにしみじみと語られていく心情。予想される別れとその後を思うと、読み進めるほどに胸が締め付けられるような思いになります。読み終わったときに残っていたものは、切なく、そして愛しいという感情。短いながら濃厚な愛の物語。おすすめです。
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