繊細な言葉の中に強さ溢れる

繊細な詩や、表現の中にも力強さを感じる作品です。

物語を引き立てる言葉、情景を思い浮かべさせてくれる詳しい背景の表現
読んでいてお庭の世界に引き込まれていくようでした。
文章ひとつひとつに、その場面のイメージが鮮明に、まるで自分がその場にいるんじゃないかと錯覚させられるほどです。


相反する二人の精神科医、そして二人の看護師の関係性もまた奥が深いです。

何が優しさなのか、優しさとは何なのか、何を持って優しさだというのか、それを追い求め、時に苦しみ悩み、壁にぶつかりながらも「優しさ」を追い求めていく主人公。
人の心に寄り添うことの難しさを、様々な表現で読み手に訴えかけているように感じました。
そしてまた、その難しさを感じながらも憧れを追い続ける主人公の姿に心動かされました。
読み終わってみて、なんだか希望が持てる、少し自分に自信が持てる、心に訴えかけてくる、そんな作品でした。

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四次元の箱庭