第3話 コンビ結成2

「お前お笑い嫌いなんか?」

コップの中の氷が溶け崩れる音がした。

「嫌いじゃない。むしろ好きだ。だが自分からしようとは思わない。」

「じゃなんで?」

「そもそも自分は心の底から笑えんから。」少し琉斗はキョトンとした表情をした。

「心の底から面白いて思ったことがない。だから人を笑らわせる事は出来ないよ。」

琉斗は太陽のような笑顔で、「お前幸せか?」て聞いてきた。自分は率直にいいえと答えた。

すると、 「笑う門には福来るてことわざあるやろ。」淡々と話し出した。

「あれ、ほんまやと思うんや。全然おもんない事でも笑えばなんか楽しくなるねん。いい方向に物事が転ぶねん。それってほんまに変な宗教とか、占いに比べたら俺はよっぽど効き目あると思うねんな。」

「さぁ、それはどうかな。」自分の中でも、にわかに信じ難いほどプラス思考でお天気さんの琉斗に驚いた。

「君はどんな笑いがしたいの?」

自然な表情で「漫才」と言った。

僕は少しため息をつきこう言った。

「今のお笑いは漫才だけではやってくのは難しいだよ。」

「なんで?」

「テレビ番組を見てみろよ。今ネタ番組て無くなってるんだよ。バラエティー番組で増えたのはトーク番組だ。要するに今世間から求められてるのはネタの面白さじゃない。トーク力なんだよ。」

「なるほど。」

「ネタだけでは評価してもらえない。僕と君がもし、才能があったとしてネタを評価してもらってもその先はどうする?」

僕の思っている事を全て伝えた。これで僕は帰ろうとしたその時

「お前お笑いほんまに好きなんやな!」僕の心は急激に高ぶった。「そんな風に分析する奴はやっぱなかなかおらへん。頼む!俺とコンビ組んでくれ」

「さっきの話聞いとったか?」

「高校三年間だけでもええねん。」

「三年間棒に振るわ」

「どうしたらええんや!」

「どうすることもできない。」

「わかった!!3日後や。3日後にネタ5本考えてくるわ。そのネタ見て決めるそれならどうや?」

僕のワクワク度は急上昇だった。


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笑う門には福来る アーネスト 坂本 @T-3

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