と書いてはみたものの、なんだかそれはすべての物語にも通用しそうな気がしないでもないような。
　様々な時を、様々な場所を生きた人間の物語が、最終的に集合して一つのメッセージを形作る･･････つまりは、この作品には最初から最後まで根底に統一されたテーマがあると。そうだ、こう言いたかったんだ。この小説は最初から物語の終わりを、作品全体の形を見据えて書き始めることができる作者によって書かれたものであるということだ。分かりやすくいえば物語構成力があって羨ましい。

人間の持つ黒い感情が手に取るように冷たく、生々しい。
だからこそその反動で、温もりのある部分に温かさを感じました。

世の中にあるもののほとんど全てが、時間とともに変わっていってしまうものだから、変わらないでいられるかもしれないと思えるものに期待をしてしまう気持ちは、共感せざるを得ませんでした。

目を背けたくなる場面でも、読みやすくすっと入ってくるのは、文体だけでなく書かれているものが人間の本質を捉えているからなのかもしれません。

とタイトルを書いてみたものの
まだ半信半疑なのです。

「カクヨム甲子園」にエントリーしている
ということは、作者は高校生のはず。

でも作品を読むと、
言葉のチョイスは的確かつユニークだし
文脈の流れも見事に構築されてるし、
とても緻密に練り上げられた文章なのです。
この言語感覚は、本当に素晴らしい。

センスも理論も両方おもちなのでしょうね。
だって、キャラの名づけも素敵ですし。

加えて、詳しいことは伏せますが
テーマや内容が「かなりエグい」。
※ネタバレ回避のための表現です。

「あなた、ホントに高校生なの？」
と、作者に直接聞いてみたい。
そして、頭の中を覗いてみたいです（笑）

皆さんも読んでみてください。
きっと驚きますから。

>九良川さま

ぜひ、長編をお待ちしています。

　非常にテーマ性が高い作品です！
　変わるということは必然的でありながらそれを欲しくない心があることをこの短い文章の中に濃縮させたクオリティでした！
　キャラクターもとても個性的で独特の世界観を醸し出しております。
　好き嫌いはありますが、オススメしたい作品です。

読み終わったあと、無くしてしまった、無くさざるを得なかった何かを思い出して胸がきゅーっとしました。