我輩の心意気は人間である。心意気は。

長島 葉

第1話

私は人間である。

多分まだ人間だと思う。


「はぁ…はぁ」


私は今、男に抱えられているらしい。

いやらしいとかじゃぁなくて、抱っこで運ばれている。


男は何かから逃げているらしく、ときどき後ろを確認しながら注意深く林?森?を進んで行く。


はて?

どういう状態なんだ?

私はどこ?此処は誰?

あれ?

マジで私の名前は?


どうやら私は記憶喪失らしい。

そうだよ、この状況を記憶喪失と日本ではいったんだよ。

日本ってどこだ?

なんか変な気分だ。


「ガッはぁっ」


突然視界が傾く。

浮遊感。

そして雑草っぽい草が目の前に…

もしかしなくても転けたか此奴。


それにしても、此奴デカイ。

軽く私の四、五倍ありそうだ。

巨人?


男が腹もとから私を解放する。

コイツゥ転けやがって、という思いを込めて巨人(確定)を睨みつける。


「…」


巨人が微笑みをたたえて此方をみる。

次に、私をゆっくり異常に長い雑草の茂みに降ろす。

そして、俯いたまま2度と動く事は無くなった。








え?放置?

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