第26話


~スーパーにて~


さっきの遥の電話相手が、気になる千代。


大丈夫かな?


会長とかだったら、また傷つくかも…また泣いてるかも…戻った方が…。。。


「ちぃちゃん?」


「ハッ!な、なに?」


少しだけ、上の空だったみたいだ。


千代は、心配している迷涼の頭を優しく撫でてやる。


「なんでもないよ。さてさて…卵」


卵を手に取ると、同時に誰かと手が触れる。


「あ、すみません」


「あ、悪い」


ん?聞き覚えのある声に、千代はハッと手を引っ込める。


「バカ倉~。卵一つ取りにいけないんですか?」


「兄さん、やめてあげて。陽平くん、今日失恋したばかり何だから」


「お前の方が酷いこと言ってますよ」


これまた、聞き覚えのある声に千代と迷涼の肩が上がる。


目に飛び込んできた男二人に、思わず。


「「げっ」」


と、彼女たちの口から本音が零れる。。。


「あれ?えっと…兎菓子さんでしたっけ?お隣の方は…ああ、七倉の元カノさん」


「陽平くんを振った子だね」


この時、七倉は拳を握りしめた。。。


この毒舌兄弟がッッッッッッ!!!


そこに…。


「ちぃちゃん、スズちゃん。買い物終わった?」


ビールと、千代の好きなおつまみを持って現れたのは、遥だ。


彼は、まず七倉を見るなり千代と、迷涼の前に立ちふさがる。。。


「おいおい、兄ちゃん。ストーカーでっか?あんまり、しつこいと痛い目見るで」


「どこのチンピラだよ」


頬に怒りマークを浮かばせながら、遥のあからさまの態度にツッコミを入れる。


「僕の可愛いお嫁さんと、妹…手ぇ出したら、また首締めるで」


いつもなら、ふんわり笑顔の遥さんなのに、ガンを飛ばす。


七倉のHPが、0になりかけたか時現れたのは、毒舌笹木部兄弟。。。


「お、お前ら…」


助けに入ってくれた?!


と、思った瞬間。。。


「やりまくっていいですよ」


「頑丈だから、どーぞどーぞ」


「てめぇらを、信じた俺がバカだったよ!!!」


どこまでも、不憫な七倉である。。。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ちよすず物語 ひな菊 @hinagiku0602

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る