第25話 ボル最高総司令官登場

「あっ、どもっ、ロウです。今、中央政府の本拠地にいま〜す。前回の最後にガブリエが出て来てびっくりしたよ〜、だってあの人北地区の味方なんじゃないの?もう僕、訳が分からないよ〜、一体どうなってるの〜、セナちゃ〜ん助けてー」


「ガチャ」


ガブリエが席を立った。


「じゃあワシはこれで失礼するよ」


ガブリエはそう言い部屋の出口に向かった。


「今日はわざわざ来て頂きありがとうございました」


部屋にいたもう1人の男がそうガブリエに向かって声をかけた。


「後は頼むよ」


ガブリエはそう言いロウの事を一瞬見たがそのまま部屋を出て行った。


ロウはガブリエに無視された。

(僕に気づかなかったのか?それとも気づいたけどあえて無視したのか?ん〜分からない)


「君がロウ君か?」


部屋にいた男がそう聞いてきた。


「は、はい…ロウです…」


ロウはそう答え、心の中で思った。

(一体何を聞いてくるんだ?ヤバイよ〜)


「そうか、私は中央政府の最高総司令官のボルだ、君には幾つか聞きたい事があるのだがいいかね?」


ボル最高総司令官がロウにそう聞いてきた。


「は…はい…」


ロウは困った様子でそう答えた。


「北地区では何か変わった事はなかったかね?そうだな〜、何か変な話を耳にしたとか?」


ボル最高総司令官はロウにそう聞いてきた。


「な…何も聞いてません…僕はずっと監禁されてたので、何も知りません…ごめんなさい」


ロウはそう答えた。

(やっぱり何も言えないよ〜、セナちゃんが危険な目にあったらやだもん)


「そうか… 分かった… だが本当に何も知らないのかね?何でもいいのだよ?」


ボル最高総司令官はそう聞いた。


「眠らされたりしてたので…僕何にも分かりません…」


ロウはそう答えた。


「そうか…なら仕方ないな…わざわざ来てもらってすまなかったな、また呼ぶ事があるかもしれんが、今日のところは帰りたまえ」


ボル最高総司令官はそう言った。


「あっ、はい、じゃあ帰ります」


ロウがそう言って帰ろうとした時…


「そうそう君の父上の様子はどうだね?」


ボル最高総司令官は思い出したように突然そう聞いてきた。


「あっ、はい、まだ意識は戻りませんが命には別状がないってお医者さんが言ってました」


ロウはそう答えた。


「そうか…すまなかったな。意識が戻ったらゆっくり休むようにと言っておいてくれたまえ」


ボル最高総司令官はそう言った。


「あっ、はい、父に伝えておきます」


ロウはそう答えた。


「じゃあ、気をつけて帰ってくれ」


ボル最高総司令官はそう言ってロウを見送った。




ロウは城の出口に向かって歩きながら考えていた…


(やっぱり何かおかしい… 一体ガブリエはどっちの味方なんだ?北地区の本拠地に居たり、中央地区の本拠地に居たり、これがあのブル最高司令官が言っていたこの世界の真実ってやつに関係してるのか?)


答えが出ないままロウは馬車に乗り中央政府の本拠地を後にした…

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