第24話 中央政府からの呼び出し

「あっ、どもっ、ロウです。前回セナと別れて馬車に乗ったんだけど、馬車に乗った瞬間変な匂いがするものを嗅がされてまた寝かされちゃったんだ。起きたら家のベッドにいてびっくり、母に聞いたら玄関の前で寝てたんだって、参っちゃうよね。あっ、それと親父の事なんだけど、まだ意識は戻ってないけど命には別状ないって、それ聞いて僕も安心したよ。なんでも、親父が危ない所をギールさんに助けられたんだって、あっ、ギールさんって言う人は親父の軍の同期で親友の人で何度か家に遊びに来た事があるんだ、なんでも親父の居る拠点に用があって向かってる途中で偶然親父が襲われれてるのを見つけたんだって、で、襲ってた奴らをやっつけて、仲間の所に連れて行ったんだって。それでたまたまギールさんと一緒に親父の拠点に向かってた仲間の中に軍医がいてその軍医に手当してもらって助かったって、なんか運命を感じたってギールさんが言ってたんだって。取り敢えず、あ〜良かった。泣いて損したよ。あっ、誰か来た、じゃ、またね〜」


「ガチャ」


ロウの部屋のドアが開いた。


「ロウ、今ね中央政府の人が来て…ロウに聞きたい事があるからこれから中央政府の本拠地に来てって」


母が来て困った顔でロウにそう言った。


「えっ?中央政府が?なんで?」


ロウは母にそう尋ねた。


「なんでも、北地区の事を聞きたいって言ってるわ」


母はそう答えた。


ロウは思った。

(中央政府が北地区の話を聞きたいって?どうしよう… 何か話したらセナを裏切る事になるんじゃ?もし、北地区の事を話してそれが元でセナに何かあったら… )


「行かなきゃいけないの?」


行かなきゃいけないのは分かっていたがロウは母に尋ねた。


母は何も言わず頷いた。


「分かった、今から用意するね」


ロウは母にそう言った。




着替えを済ませたロウは、家を出て、中央政府が用意した馬車に乗り中央政府の本拠地に向かった。ロウの横には迎えに来た中央政府の人が座っていた。


「僕に聞きたい事って何ですか?」


ロウは中央政府の人にそう質問した。


「それは着いてから聞く、君は黙ってついて来ればいい。」


中央政府の人がロウにそう言った。


ロウは思った。

(なんだかこの人偉そうでやだなぁ)


ロウはそれから黙り込んだ。それから馬車が2時間程走って中央政府の本拠地に着いた。


「ついてきなさい」


中央政府の人は、そう言って馬車を降りた…


馬車を降り中央政府の本拠地を見たロウは思った。

(ここが中央政府の本拠地か、北地区の本拠地の2倍はあるな〜、城の色は白で統一されて綺麗で立派な城だな〜)


ロウは中央政府の人の後を追い本拠地に入った、すると中央政府の本拠地の入り口を入り5分程歩いた所で軍服の腕に鷹の紋章が入った兵を見た。


(あれっ?あの紋章って?確かセナが言ってた王族関係の兵士?あれ?しかもあの時、北地区の本拠地にいたあの兵士だ⁈どうゆう事だ?やっぱり王族関係者達は中央地区側だって事か?ん〜分からないよ〜、こんな時セナがいてくれれば…)


「ここだ、入りたまえ」


中央政府の人間がドアを開けて手招いた。


ロウは言われるまま部屋に入った。



ロウは部屋にいた2人の内の1人を見て驚いた…


なんとそこにはガブリエがいたのだった…



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