第7話 少女と父親と国王と

国王が亡くなられたという知らせは数日のうちに近隣の国にまで広まった。


その間にも街は白に包まれ、白に溢れていた。


いつもと違う今日、

そしていつもの付き人。


今日も少女は窓を眺めぽつりと一言。


「お父様。」


少女の父上はこの国を治める者だった。

国民を愛し、また国民からも愛されていた。


国王。それが亡き父親の立場であった。



「お嬢様……。」


お茶をお持ちしましたよ、といつもと変わらない台詞を言う付き人。

今日も席につかない少女。


でも少女は『いつも』とは違うことを考えていた。


生前の父親との思い出に想いを馳せていた。

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いつもと違うね おしゃべりウサギ @am09

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