最初に目をひかれたのは、世界設定でした。壊れた世界という設定ですが、一味違うのが『世界を壊した者』がそばにいるということです。
当然、壊された側と壊した側との間には対立構造がありますが、そこに壊した『理由』が一つのエッセンスとして加わり、物語を展開の読めない構造に仕立て上げています。
人食いなどのエピソードも、残酷さを秘めてはいますが、他のエピソードとも絡み合って、登場人物たちの激しい感情の起伏を生み出していました。
その中で、一貫して輝きを放ち続けた少女の姿には、胸をうつものがありました。また、少女を取り巻く登場人物たちにも、はらはらさせながらも、考えさせられる場面が多かったのも、この物語の特徴だと言えると思います。
素敵な作品と、楽しい時間を提供していただき、ありがとうございました。ちなみに、ラストで悪魔と呼ばれる男が、少女に最後のお願いをするシーンには心打たれました。
みなさまも是非、壊れた世界で貫く少女の純真な願い、感じてみてはいかがでしょうか? オススメです!