第3話トップアイドルに嫉妬するもよう。

逃げ惑う俺達に声をかけたのはトップアイドル兼、同族、つまり夢魔の李琉リイル様。(おちょくった言い方)まぁ、普通に可愛いな。うん。桃華程ではない。(シスコン?ああ、そうだが?文句でもあるか?)

「龍くん!ここならバレないから!」

と、言うと俺達をよくわからん能力(なのか?)の壁の様なもので隠してくれたらしい。ただ、範囲が狭い…桃華の胸が俺の身体に押し付けられる…柔らかい感触が服越しにも伝わってきて…桃華もキツいらしく身体を動かすからっ…ヤバイ…これ以上この状態が続いたらっ…!……………危なかった…やっと行ったらしい。李琉が能力を解除すると、俺は途端によろけて、それを支えようとした李琉様を巻き添えにいや、李琉様が押し倒した形で俺は床に尻もちをついて、そのまま硬直。

「あの。李琉さん?…」

「うわぁぁぁぁぁ!!!ご、ごめん!!」

凄い顔を真っ赤にして飛び退く李琉。なんなんだ?まぁ、謝るのはわからんでもないが…顔を真っ赤にしたりとか、物凄い勢いで飛び退くとか。そんなに俺が嫌いなのか。まぁ、おれは桃華さえいれば良いんだが…って…桃華……そんな顔で俺を見るな…なんで怒ってるんだ……

「おにぃちゃん。いこ。このひと、いや。」

「そうか?わかった。クラスに帰ろうか。」

桃華が嫌と言うなら仕方が無い…何故か怒ってるし…。よし。帰ろう。と、桃華を肩車して教室に帰ろうとすると、李琉が俺の制服の上に羽織ったパーカーの裾を掴んできた。

「何?」

無愛想に尋ねる。別に今更愛想なんざ要らねぇだろう。

「あ、あのっ…もし…よかったら…」

その続きを聞くことは出来なかった。何故って?ここは4階なんだが、隣の校舎の屋上にヘリが着陸して、それどころじゃ無かったからだ。

ヘリなんておかしい?いいや。それが本当にヘリなんだな。グラサンに黒服の漫画のスパイみてぇな格好の怖い面々。あの~。俺、なんかやらかしたんっすかね?………という心配は杞憂で、その内の一人がなんかデカイ声で叫んできた。

「夢魔!嵐神龍雅!!」

「俺が龍雅だが?何か用か!」

そいつは服をはや着替えか?良く分からんが、そんな感じで黒服を脱ぎ捨て、黒髪のカツラ(被ってたらしいな。)も投げ捨て、真赤な衣装に身を包み、これまた派手なオレンジの頭に粋なアクセサリーをつけて、

「俺達、アイドルグループ、ラ・ドリームズのリーダーになってくれ!!!」

と、さっきより大声で叫ばれた。

おい…俺が…アイドル?…はぁ?


俺がなるなら桃華を……いや、それは嫌だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サキュバスVSインキュバス a.p @a-p

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ