第2話 ていでんしたジャパリカフェ(2)
#1 ていでんしたジャパリカフェ(2)
~~~~~~~~~~~~~~
ボスが漏電を調べている間に、ジャパリカフェの前の広場にみんなが集まります。
高い山の上とはいえ、熱帯地方。太陽はさんさんと降り注いで、緑が鮮やかに光っています。
「あああ~もしお湯がもう使えなくなったら、どうしよう…。」
「アルパカさん、一つ、試してみたいことがあるんですけど…小さなお鍋というか、金属のティーポットとか、
そういうものはありますか?ちょっとさびてて、黒いほうがいいかもしれないです。」
「ちょっと待っててね~!」アルパカはうれしそうにティーポットを取りに行きました。
「あとは、平らか、少し曲がった板があると…」
「板なら、川のところにあったわよ。ツタで川の中に何枚か足場があるあのあたりに…」トキが言いました。
「ああ、ジャパリバスを組み立てた、カワウソさんがいるところですね!」
「取ってきてあげる。」「わ、私も手伝うわよ。」トキとショウジョウトキは飛んでいきました。
「かばんちゃん、どうやってお湯を作るの?」サーバルは不思議そうな顔。
「図書館の裏の、料理コーナーにあった、これを使ってみようかなと。」
かばんちゃんはかばんの中から、何かを取り出しました。
~~~~~~~~~~~~~~
「持ってきたわよ」
「わたしももってきたよ~~」
板と小さな黒いティーポットがそろいました。
「では、まずは…」
かばんちゃんがカバンから取り出したのは、アルミホイル。これを板に巻きつけます。
「うわあ~~!すっごーい!キラキラしてる!うわっ、まぶしっ!!」
「サーバルちゃんごめん!」
「こんなキラキラしたもの、見たことないわ。サンドスターとも違うわね」
「アルミホイルと言って、金属を薄く延ばしてペラペラにしたものらしいです。
昔はこれで、ご飯を包んだりしていた、と本に書いてありました。」
早速完成したキラキラの板が12枚、かばんちゃんはそれを放射状に並べ、傾けては繋いでいきます。
「では、ここにティーポットを置いてください。…もうちょっと上かなあ…」
並べた板の上に伸ばした枝にティーポットをひっかけ、位置を調節するかばんちゃん。
「わああ~光がティーポットに集まってきたよ!」
「どうかなあ…」
見守ること20分
「あっ、湯気が出てきた!」
「わあ~すっごーい!」
「早速お茶の葉を持ってくるよ~まっててね~!」アルパカはお茶の葉を取りに行きます。
~~~~~~~~~~~~~~
「どーぞ!さあ、どうぞ~~!」アルパカさんは大喜びでお茶を注ぎます。
ジャパリカフェのテラスでは、みんなおいしいお茶に大喜び。
「かばんちゃんのおかげだよ~ありがとう!」
「うまく行くか、正直自信なかったんですけど…」かばんちゃんは真っ赤になって照れています。
「だってかばんちゃんは、すっごくあたまがいいんだもん!信じてたよ!」
「久々にお茶が飲めて、のどの調子もいいみたい。歌いたくなってきたわ。」
「ええっ…」青くなるサーバル
「わた~~しは~~トキ―、なかま~~~を、さがして、る~~~~♪」
ワイワイと時が過ぎていきます。
~~~~~~~~~~~~~~
「点検が、終わったよ。電気は、漏れていない、みたいだよ。」
「ラッキービーストさん、ありがとうございます。良かった!」
「でも、どうして電気が流れなくなっちゃったんだろう?」
「そういえば、この前、目の前のあそこに雷が落ちたんだよ~。あの時は怖かったよ~。」
「それですアルパカさん!」
「雷の、サージ電流で、ブレーカーが、落ちたんだね。調理器具も、確認したけど、電気抵抗は、正常、だったよ。」
「じゃあ…」
「ブレーカーを入れられるよ。」
「じゃあ、行きますよ。えいっ!」
かばんちゃんがブレーカーを入れると、ジャパリカフェに照明がつきました。
「わあ~完全になおった。よかったよう~!」アルパカも大喜び。
「それに、またもし動かなくなっても、さっきの方法でお湯が沸かせるのはいいわね。」トキも満足そうです。
ロープウェー乗り場。サーバルとかばんちゃんを、アルパカとトキたちが見送っています。
「いつもお役にたてるかどうかはわからないですが…何かあったらぜひ呼んでください!」
「ありがとうねえ!そしてまたお茶を飲みに寄ってね~~!」
「またお会いできる時を楽しみにしています!」
「じゃあ、いっくよ~!バイバイ、アルパカさん、トキさん!!」
サーバルはロープウェーの足こぎゴンドラのペダルを、元気に踏みしめます。
~~~~~~~~~~~~~~
ジャパリ図書館。かばんちゃんは今日も調べものをしています。
「ほうれん草と卵の…」どうやら今日は博士たちと料理を作ろうとしているようです。
「これは間違いなくおいしいとわかるのだ。われわれはかしこいので。」
「頭を使うと料理が食べたくなるのだ、われわれはかしこいので。」
「かばんちゃんだってかしこいよ。」
「当たり前なのだ。われわれはジャパリ3賢人と名乗ってもよいと思うのだ。サーバルとは違うのだ。」
「ひどいよう~~」
と、そこに、またお客さんです。
「オグロプレーリードックであります!かばん殿、お久しぶりであります!!また挨拶をさせていただきたいであります!」
「あ、プレーリーさん、こんにち…」「チュ~~~ッ!!!パアッ!!」「サーバル殿!チュ~~~ッ!!!パアッ!!」
「プレーリーさんのあいさつ、息ができなくてちょっとびっくりするよね。かばんちゃん。…あれ、顔が真っ赤だよ!大丈夫?」
「大丈夫、です~~。」
「失礼したであります。で、かばん殿にご相談なのですが…。」
ジャパリ図書館、かばんちゃんは今日も元気です。
#1-2 ていでんしたジャパリカフェ おわり
かばんちゃん、修理屋さんはじめました。 湯茶人 @arumeifan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。かばんちゃん、修理屋さんはじめました。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
けものフレンズ恋愛短編集/気分屋
★111 二次創作:けものフレンズ 連載中 13話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます