第16話

「こんにちは、せいめいくん遊びに来たよ」


「あら、きんとき君いらっしゃい」


「こんにちは、おばさん」


「きんとき君?オバサンじゃないでしょ葛の葉さん?」


「くじゅのはしゃんほんにちは」


「はい、こんにちは」


「せいめいくんは?」


「まだ帰ってきてないの、朝、宮廷から呼ばれたっきり」


「そうですか、それじゃまた来ます」


「ごめんなさいね、また遊びに来て」


「はい。また来ます」


△▼△▼△


「物狩りしながら帰ろ」


「あれ?強いもののけの気配が、しかもせいちゃんの家の中?」


▼▼▼▼


「コンコンコン。あの子ったら何処で油売ってるのかしら」


「どんどん気配が強くなってくぞ」


「今日の晩御飯は何にしましょうか、コンコン」


「台所?」


「きんとき君も帰ったしこの格好も窮屈だし、ヨイショ」


「!おばさんに尻尾」


「きんとき君」


「え!?おばさん台所に?え?」


「この事誰かにしゃべったら…分かるわね特にあなたのご主人様とか…」


「はっはい!しゃべりません」


「いいお返事ね。それじゃ気を付けて帰るのよ」


「はい!お邪魔しました」


「フフフ、あんなに慌てちゃって、アレが私の正体気付いてないわけないじゃない」



〈安倍晴明の母、葛の葉は神の使いの狐であったと云われている〉










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