第3話

 祖父が、野口英世であるかどうかは、去る事ながら、私は、夢から覚めたとき、何分にも夢から覚めていなかった。

「所詮、現実も夢の中だと思う。」

 他方、明治維新の真っ只中にいた男の子は、四年の新聞配達を経て、病院で、一生を過ごすことになった。誰にも予言を理解されぬまま。

 時代を超えて、関わりのない二人の男は、「今に生きよう。」と、心に決めた。

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輪廻 小笠原寿夫 @ogasawaratoshio

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