エピローグ
世界は科学、魔法、過去、未来、未知5つの砂袋に分かれている。
その中でも、世界はいくつもの平行世界と呼ばれるものに分岐していて。
ってまぁ、難しい話はさておき。
俺さ、妹がいるんだよ。全部で7人、家族全体なら20人の大家族なの。全員血は繋がってないんだけどね。
そのうち・・・あ、妹の方ね、1人がとある世界で神様やっててさぁ。
キメラ様って祀られてるんだって。
実際、ほわほわしてていい子だよー。昔は自傷癖があったんだけど今は落ち着いてるしさ。あ、微妙に話ずれちゃったね、ごめーん。
それでね。
何が言いたいかというと、うちの妹は神様で超絶可愛くてなおかつ家族愛にあふれた子なんだってこと。
目玉を媒介にして力が使えるからって、俺のラムに力を注いでくれるくらい優しい子なんだよ。
神様の力なんて反則?
何言ってんの? これはね、愛だよ。愛。やこちゃんから俺への愛。
愛はいいよねぇ。俺、大好き。だから俺は彼女の「どんな愛し方も否定しない」ってのには大賛成だし、俺自身も拒否しないよ。
あ、これうちの旦那様には内緒ね? やきもち焼いちゃうかもだからさ。
そういうところが可愛いんだけどねー。
っていうのはおいといて。
真面目な話。
元主だった男を本部へとつきだして、合言葉を知られてしまった工房は安全のために廃棄され。そこで俺の仕事は終わったわけなんだけど。
物事、そううまくはいかないよね。
まず、今回の件で被害者とも言える紋章たちの引き取り手が見つからなかった。
まぁ、敵側に受肉されてなおかつ忠誠心も低いってなるとそうだよねって感じ。
さらに加えて紋章たちもこれを拒否した。いや違うな。知らない人間に引き取られるのを拒否したんだ。
また元主みたいなやつだったりしたら嫌だと。
これはもう上塗り(紋章を・・・なんて言えばいいんだ? 離肉とでも言えばいい? )するしかないと思われたんだけど、そこで話は終わらなかった。
なんとあの子たち、俺に主になってほしいとか言い出した。確かに知らないひとではないけどさぁ。
旦那様のこともあるし、やぶさかではないんだけど一応否って立場上言っといたんだけど。
次にあの男は少数しか受肉してないぶんその少数がすごい強くて。それに旦那様みたいなレアついてる、育てれば強力になる紋章もいるってことで、本部は工房解体したくなかったみたい。
結局それらは我らが女王陛下に奏上され、新しい契約を結び直すことによって、俺は彼らの主人になったわけである。
ちなみに俺は「なに面倒くせぇことしてんだツンデレ気取りか、このバカ犬が」って陛下に足を蹴られた。全治一週間だって。
俺、影族・・・えーと、人間の強化版みたいな種族で、治癒能力だって人間より数十倍高いはずなんだけど。
「ナゴミ様、遊びましょう?」
「蹴鞠などいかがか?」
縁側で萌えてきた緑を見ながら、緑茶を片手にハルカ手作りのみたらし団子を頬張っていた俺のもとに。カミーナとトトル・ライガルが現れた。
隣りに座った旦那様が笑顔のまま威圧をかけてくるのがわかる。
言いたいこととしては「せっかくの夫婦水入らずなのに行くわけあるまいな?」ってとこかな?
まぁ、俺としては
「いいよー、俺のリフティング技術見せてあげる!」
あえて振り切っていくスタイルで!
そうして2人に連れだされた俺に。旦那様が小さくため息をついてから、穏やかな笑顔を向けてきたから俺もにっこり笑い返しておいた。
ま、これで俺と旦那様の出会いの話はおしまい。これ以上は俺と旦那様の2人の秘密ってことで。
今日もうちの工房は平和です。
HxN 小雨路 あんづ @a1019a
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