しろ
銀世界ニ闇ト羽根
第1話
ちいさな女の子がてとてとと歩いてくる。
“あらあら”
てとてとと可愛らしい動きであるいてくる。
“あらあら”
白い髪の毛。雪の妖精みたい。
“あらあら”
青い目。ビー玉みたいに透き通ってる。つるつるだ。
“あなたって”
ぼくよりもふた回りも小さなからだで迫ってきて。
“どうしようもないダメ人間なのね”
罵る。
“なんで生きているのかしら”
罵る。
“ちゃんと神さまに許しをもらってるの?”
罵る。
“あなたなんていなければ良いのに。”
“もしかして”
“本当にもしかして”
“あなた興奮してるの?”
“こんなひどいこと言われてるのに興奮してるの?”
“おもしろくない。貴方の嫌な顔悲しい顔が見たいのに”
“だったら”
“こういうのはどうかな?”
“うふふ”
女の子がのしかかってくる。
小さいからとても軽い。
鳥の羽根見たいな。ふわふわで。柔らかくて。
白くて雪みたいな髪の毛が、長くて長くて腰よりも長い髪の毛がぼくの上で踊って。
やめて…やめて…そんな優しい顔をしないで。
さっきみたいに蔑んで。
小さなお口が告げる。滅びの歌。顔を蕩けさせて。急に甘ったるい息を吐いて紡ぐ。
“貴方が好きよ”
するすると服を解く。
“貴方が欲しい”
ばさりと衣装が落ちる。
“貴方と前から一つになりたかったの”
幼くて全く凹凸がないのに。
女の子の香りがした。
“うふふ”
“大丈夫よ”
“貴方が動けなくても、私が動くから”
やめて…やめて…
体を預けた。
“愛しています”
僕は消えて無くなった。
しろ 銀世界ニ闇ト羽根 @blonde-lolita
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