ネックレス

ネックレス

僕と結婚、して下さい。幸せにします。

そう照れながら言ったあなたに渡されたのは、指輪ではなく、ネックレスだったよね。

緑のような青のような、不思議な色をした宝石のついたネックレス。

こちらこそ、お願いします。

って私は返事をして、2人で抱き合った。人目なんて気にせずキスをして2人の世界に浸った。

これが幸せなんだって肌で感じられた。

なのに

なのに

どうして

どうしてあなたは私を裏切ったの？

幸せにするって言ったじゃない。

赤黒く染まる服なんて気にせずに、私は何度も、何度も、あなたへの愛を刺す。

もうあなたは声も出ないのね。

どうしてこうなったの。

全部あなたのせいよ。

隣で寝ているあなたを抱きしめても、もうあの時の温かさはない。

そして、私も。

あなたに貰ったネックレスだけが今も光り輝いているわ。

天国では幸せにしてね。