何とも心の温まる、「読んでよかった」と思えること間違いなしの素敵な物語です。
ホテルイノウエ。それは知る人ぞ知る、宇宙一のおもてなしを誇りとするホテル。
主人公の守野晃くんは、苦戦続きの就職活動中に、ふと舞い込んだこのホテルの募集へ何の気なしに応募してみますが……そこは、人ではなく、動物たちに最上級のおもてなしをするホテルなのでした。
そこで出会う、個性豊かで温かな上司や先輩たち。宿泊客としてやってくる動物たちと、様々な事情を抱えたその飼い主たち。そんな環境の中で、守野くんは人間的に少しずつ成長していきます。
作者様の動物達を見つめる愛情のこもった眼差しを、読み進めるほどに深く感じ取ることができます。その眼差しは同様に、全ての登場人物にも注がれ、物語全体がふんわりと優しく丁寧に紡がれてゆきます。
登場する動物達をお世話する場面ごとに、「へえ、そうなんだ!」と驚かされる深い知識も散りばめられ、動物好きの読者の心も大きく刺激すること請け合い。様々な方向から楽しめる内容になっています。
こんなホテルがもしもあるならば、ぜひ一度立ち寄ってみたい。きっと人間はそのおもてなしを受けることはできませんが(笑)……そんな思いを抱かずにいられない、たっぷりの愛情が詰まった優しい物語です。
就活失敗の日々を過ごす守野くん。下手な鉄砲で受けていた一つの就職先から研修というかたちでの採用となったホテルイノウエ。
ただのホテルと思いきや、犬、猫、ハリネズミ、クジャクそのほかさまざまな動物たちをお客様としてお迎えします。
宇宙一のサービスをモットーに、先輩であり憧れの藤宮さんと、同僚となった可愛いけどちょっとツン気味の波多野、体力が取り柄の有野たちとホテルマンを目指し頑張る……だけでも物語となるのに、そこに動物のお客様が絡むとなれば隙がないくらいに面白要素が満載で、読んでいて飽きません。
しかも、糸乃空さんの物語は、一話の文字数としても、表現としても、とても読みやすく構成されており、朝の通勤時やちょっとした時間に最適です。
賑やかさや、微笑ましさ、そして、爽やかで心地よい気持ちがこころを潤う素敵な物語たち。お仕事としての物語、癒しの物語、そして、守野くんの成長物語をぜひご覧ください。
主人公の成長物語でもあり、恋愛物語であり、人とお客様の感動秘話であり、人間ドラマでもある、素敵な作品だ。そしてちゃんと希望が持てる。
初めは就活を失敗した主人公の、変わったお仕事小説かと思っていた。語り口が軽妙なので、主人公の失敗や癖の強いキャラクター同士の掛け合いも、スラスラと面白く読むことができた。
変わったお客様たちのお世話をしている内に、失敗だと思われたホテルへの就職が、主人公にとって重要な意味を持ってくる。憧れの先輩がいたのに、何故か嫌われていたと思っていた同僚と良い感じになってしまったり、お客様へのお世話の在り方について考えたり、主人公は懸命に、そして持ち前の明るさでそれらを経験していく。
そんな中、先輩が抱える問題を告げられた主人公。あまりにも切ない先輩の想いを知って、主人公は仲間と先輩のもとへと駆け付けるのだが……。
どんな苦難も情熱を持って体当たりで挑んでいく主人公に、共感が持て、ぐいぐいと引っ張られるようにページをめくる手が止まりませんでした。
皆様も「ホテルイノウエ」を是非、ご利用ください。
スタッフ一同に好感を持てること間違いなし。
宇宙一の物語が、ここにはあります。
是非是非、ご一読ください。
就職が決まらなくて数撃ちゃ当たる、とばかりに応募したホテルに採用された主人公、守野君。
しかし、そのホテルのお客様は変わっていて……。
主人公、守野君が同期のふたりにすこし(かなり?)後れを取りながらも、奮闘していく物語です。
そしてお客様たちが可愛いんです。絵があったら……と思いつつも、その可愛さは、絵がなくてもなんかものすごく伝わってくる表現力があって、とてもこのホテルが素敵な場所だというのが伝わってきます。
そして恋も。
読んでいて、うふふふ、と自然に口角が上がってしまうような関係がなんともたまりません。
笑えてほっこりできる。そして少しだけせつないことも。
色々な感情が沸き上がってくるお話です。
ぜひこのホテルを覗いてみてください。
三ツ星ホテルとか七つ星ホテルとか言いますが、この「ホテルイノウエ」を評価するには足りません。
なんせ宇宙一を目指しているホテルですから。
それこそ宇宙の星をかきあつめてこなければ。
ありそうでなさそうな、
でも、なさそうでありそうなホテルが舞台です。
ご宿泊になる「お客様」の個性的なこと!
そんなホテルに就職した主人公守野くんの成長物語です。
オーナーの作者さまを始め、従業員一同みなさまのご来店をお待ちしています。
ぜひ「宿泊」なさってください。
くすくす笑えて、あらあらあらとツッコんで、そしてホロリと感動させられる。
「宇宙一」の読後感が待っていますよ。
「宇宙一のサービス」を掲げる『ホテルイノウエ』は、歴史のある老舗ホテルだ。ただし普通のホテルではなく、動物愛好家の間で有名なペット専門のホテルだった。
イヌ、ネコ、ウサギ、ヘビ、トカゲ、毎日さまざまなお客様がご宿泊される。散歩にエサやりはもちろん、ときには高台から降りられなくなったネコを救助したり、脱走したインコを捜索したりと業務内容は多岐にわたる。
そんなペットホテルとは知らずに就職してしまった新人・守野晃が、知識もスキルもまったくのゼロから体当たりでトラブルを乗り越えていくドタバタが面白い。
次第に動物たちとも心を通わせ愛着を抱く晃だが、飼い主のように一生寄り添うことはできない。お客様として動物たちとどう向き合っていくか。苦悩しながらペットホテルのホテルマンとして自覚が芽生えていく姿に考えさせられる。
まったくの未知の業界の物語だが、こんな仕事も夢があって魅力的に思える。
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=愛咲優詩)
何かを頑張っても、なかなか上手くいかない時ってありますよね。でも、そんなときでさえ、大きな転機は必ず訪れます。そのチャンスをどう生かすか。
想定外の職場に就職した主人公、守野くん。同期の個性的な仲間とともに、様々なトラブルを乗り越えていきます。全力で問題に立ち向かっていくその姿が素敵でした!
つらいこと、楽しいこと、笑いあり、涙あり。彼らの日常の中に、すっと溶け込んでしまいそうな鮮やかな文体は、読み手の感情を優しく物語へ引き込んでくれます。
守野くんの成長していく姿や、様々な生き物たちとの関わり、ちょっと切なかったり、シリアスになったりするラブコメ風の展開など、構成がとても豊かな物語。素敵な作品をありがとうございました。