【短編集】カフェタイム―ほろにがブレンド、せつなさ風味―

作者 氷月あや

20

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★★★ Excellent!!!

ここに書かれているのは、主に十代後半~三十代の主人公たちの、繊細な心情です。

日常の忙しさと不器用さゆえに破れた恋。患者とヘルパーの間から気持ちが一歩近づく瞬間。十代の失恋。両親の離婚に傷ついた少女の心。仲間との感性の違いに悩むバンドマンと、作家の対話。

――身近で、どこかに居そうな人々ばかりです。それだけに、丁寧につづられた言葉ひとつひとつが胸に迫り、「ほろ苦い、切ない」を通り越して痛みを覚えるほどでした。

カフェタイム(休憩時間)に拝読しました。
コーヒーや紅茶もよいですが、作者さまご自身が書かれている、The BeatlesやBUMP OF CHICKENのBGMとともに読むと、いっそう雰囲気が増してよいかと思います。

一話一話を大切に読みたくなる、透明な短編集です。

★★★ Excellent!!!

透明で、とても綺麗で、だから気づかないうちに呑まれてる。

始まりの音。
中の3編は穏やかで優しくて包み込むような暖かさが好き。ついっと混じる切なさ寒さも、温かさに包まれる。

一番のお気に入りはキズ色カフェタイム。透明な美しさと、身に覚えのある言葉に、胸がえぐられるような気がした。けれど、ずっと考えていたい。指摘して欲しかった痛み。

★★★ Excellent!!!

物語には、始まりがある。
突発的に起こる事故のような始まりは稀で、多くは緩やかに、本人のあずかり知らぬ間に起きているものだ。
ここには、そんな物語が五編。
しかし、始まってしまえば中身は濃く、心踊るようなものから、胸を押さえたくなるほど苦しいものまでつまっている。
個人的には音楽の絡んだ
その夜、ギターは、ひそやかに泣く
が好きだ。
この作者に音楽を絡ませた物語はかかせないし、いつだって心踊らされる。