最終話 幸せな生活

瑛斗のその言葉を聞き葵とアリスの表情が緩んで行き、そして微笑んだ。2人はベットにいる瑛斗に抱きつき押し倒した。


「エイト!ありがとう!これから2人でよろしくね!」


アリスがそう言い瑛斗の頬にキスをした。以前なら葵が怒るはずだが3人はもう夫婦の関係になっている事もあり怒ることは無かった。逆に葵もそれを見てアリスがキスしているのとは逆の頬にキスをした。2人にこんな事をされて事は無く、嬉しすぎて瑛斗はキスし終わった後も終始ニヤニヤとしていた。


「じゃー、孫が2人出来るって事か…。それそれで嬉しいな…」


アリスの父がボソッとそう言った。そしてアリスの母も笑顔で瑛斗に話しかけてきた。


「エイト、それと2人。これから頑張るのよ。もちろんエイトには夜の方も頑張ってもらわないとね」


アリスの母がウインクしながらそう瑛斗に話しかけてきた。それを聞き顔がだんだんと赤くなる瑛斗。瑛斗はもちろんそういった大人な事はやった事が無く、素人同然だった。


「え、えぇ。頑張ります…」


「お母さん、エイトのね、大きいんだよ?」


アリスが母にそう言った。葵もそれを聞いていて頷いている。驚いた表情を浮かべているアリスの母。


「あなたたち、もうしたの?」


「ううん。手だけでやったの。男の人のってどのくらいなのかなーって気になったの…」


「うーん…なら仕方ないわね」


「し、仕方ない…!?」


瑛斗がボソッとそう言うがそこにいる人たちには聞こえておらず、話は進んで行った。アリスな父が話を変え結婚式の話に話題を変えた。


「アリス、結婚式はいつやるつもりなんだ?」


「え…、明日とかでも明後日とかでも良いけど…」


「そうか…。なら今から準備するように部下たちに言ってくる」


アリスの父がそう言い、部屋を後にした。そして結婚式当日に葵とアリスの着るウェディングドレスは実は前々から作ってありアリスの両親の部屋に置かれていたのだった。そして翌日、結婚式を3人は迎えたのだった。



翌日になり瑛斗はその国なりの正装をし結婚式へと備えた。葵とアリスは別の部屋でウェディングドレスを着ている。瑛斗の準備が終え、しばらく経ち2人の準備も終わった。瑛斗の前にウェディングドレスを着た葵とアリスが来ていた。


「2人ともお似合いだよ」


「そう?そう言ってくれると嬉しいな…」


「こんなに早くウェディングドレス着られるとは思ってなかった。瑛斗のおかげだね」


「うん!」


アリスが笑顔でそう返事を返した。もう間も無く式が始まる。会場は装備選びの時に使ったあの部屋へと続く階段の近くにある小さな教会のような部屋で式が行われる。王女結婚のニュースは瞬く間に国中を駆け巡り建物の前には多くの人がかけつけていた。


教会へと続く扉の前には3人は来ていた。生の演奏が始まったら3人は入場する事になっており、それに近づくにつれ緊張が高まっていった。しばらく経ち部屋の中からブラスバンドの生の演奏が聞こえ扉が開い開かれた。瑛斗は真ん中で2人の手を握りゆっくりと前へと進んで行った。部屋に入り拍手を受けながら3人は歩き進む。そして、牧師のいる場所へと3人は着く。ブラスバンドが止まり牧師が3人に語りかけていた。


「ここは向こうとあんまり変わらないんだな…」


「エイト?何か言った?」


「ううん、何もない。気にしないで」


牧師がやる事を一通り終わり、誓いのキスを3人はした。そして式直前に渡された指輪を2人の薬指へと付けた。指輪に付いているダイヤモンドが光に反射し、より一層綺麗に見えた。


3人は教会の出口へと向かっていく。出口を出た後外にいる人たちにそれらを見せるために建物の出入り口へと向かう。外には国民のほとんどがいて、3人を見て歓声をあげた。3人はそれぞれ会釈をしてそれに答えた。


短い時間のお披露目が終わり3人は建物の中へと入って行く。そして3人は別々の部屋に移動しいつもの服に着替えた。一足先に着替え終わった瑛斗はアリスの部屋で2人を待っていた。


5分ほど待ち部屋のドアが開き2人が戻って来た。2人に疲れている様子はなくいつも通りの感じだった。3人はベッドに座り、話していた。


「エイト、今日はありがとうね。人生の中で1番最高な時だった!」


「まだ先は長いだろ?これから先も最高な事はきっと起こるよ。けど、最高な事の1つだったかもね」


「私も最高だった!瑛斗と結婚するって言う夢叶えられたんだもん」


「俺もだよ。俺、絶対2人を幸せにして見せるから!」


アリスが瑛斗をベッドに押し倒し仰向けにした。葵もそれを見てアリスと同じような体勢を取った。


「その言葉、忘れないからね…」


アリスが瑛斗の唇にキスをした。いつもより長い時間キスをしていた。そして葵と交代交代で2人はキスをし続けていたのだった。


「エイト、子供って何人くらい欲しい?」


「え?うーん…2人くらいかな…」


「2人かぁ…。けど私たちで2人ずつ赤ちゃん産んだら…不吉な数になっちゃうもんね。私、頑張っちゃお!」


アリスが瑛斗のズボンを下ろそうとする。しかし20歳にならなければ子供はつくってはいけない事を思い出し瑛斗はそれを止めた。


「アリス、年齢が…」


「いいのいいの…特例よ。と・く・れ・い」


「特例って……ま、いっか」


瑛斗はアリスのやりたい事を受け入れた。その夜、3人は体を合わせあったのだった。










数年後、めでたく葵とアリスはそれぞれ1人ずつの赤ちゃんを産んだのだった。葵が男の子、アリスが女の子を産んだ。そして相変わらずアリスの産んだ女の子の髪の毛は赤髪だった。


瑛斗と葵のいた、元の世界ではどうなっているのがわからないがこっちの世界の方が正直言って楽しい。逆に向こうの世界だと。楽しく無い生活が待っていたのかもしれない。そんな事を2人は心のどこかでそう思っていた。



そして3人はその世界で幸せに生活していたのだった。








『幼馴染と3人の異世界性生活』


〜END〜

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幼馴染と3人の異世界性生活 大津 千代 @otttyo_00

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