廃墟

@Alialina77

第2話

目が覚めたら、灰が敷き積もる瓦礫の山に横たわっていた。見回すと、崩れかけたビルが見える。

ここはどこで、どうしてこんなところに来てしまったのか。それを確認したかったから動こうとしたら、ガラスの破片が背中に当たっていて痛かった。

僕は、怪訝な顔を作って、立ち上がった。そうしないと、周りの風景に飲み込まれそうな気がしたのだ。

歩けば、灰が舞い、崩れたビルや家が僕を包み込む。

地図もない。ビルや家に入ってみても灰があるだけである。

しかし、どこかに現世に戻るためのボタンがあるらしい。

僕は、虚ろな意識の中で、とても小さい声を聴いたのだ。

しかし、なかった。

どこにもなかった。

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