お寿司好きですしおすし/五月とメイド・番外編
五月乃月
お寿司好きですしおすし
「ふぁ〜あ、面白いネタないかなぁ〜」
「五月様、お寿司がテーマの小説コンテストがあるようですよ」
「ほー、いいネタかも」
「お寿司はいいネタが命です」
「それネタ違い」
おふたり、いつものとぼけた会話です。
「それはプロが参加してもいいのかな?」
「五月様はプロとは言えないので大丈夫かと……」
「メイド、実家に帰るか?」
「それはご勘弁を……」
メイドさん、お仕事に命かけてますから。
「食べたいでございますねぇ」
「ネタを揃えるのに行ってみるか」
「ネタを揃えるのはお寿司屋さんでございましょ」
メイドさん、もういいです。
ということで、おふたりお寿司屋さんに向かいます。
「鶴井寿司?」
「お前は初めてか。先代が引退して店を閉めてたが、ご子息が継いだのだよ」
ガラガラガラ……。
「へいらっしゃい」
おふたり、カウンターに座ります。
「五月先生いらっしゃい。いつの間にお子さん……」
「違う、メイドだ」
「冗談すよ。メイドさんは有名人だから。お嬢ちゃん、さび抜きかい?」
「わたくし成人です!」
お約束です。
「帆立と玉子をつまみで。あと日本酒を」
「へい」
「わたくしは甘えびお願いします」
「好きだな、えび」
「あい。あと、いくらといかと、とびこも」
メイドさん、プルプルプチプチしたのがお好きです。
「先生お後どうしましょ」
「ちらしをもらおうか」
「へい。お好きでしたよね、ちらし」
「子供の頃はいつもだったな。わたしには宝石箱だったよ」
五月先生とメイドさん、たらふくいただきました。
「へ? ちょっとお勘定高くない?」
「五月様、見せて……しょえ〜」
「メイド、わたしがトイレ行ってる間に大トロバカ食いしたな」
「しておりません」
「あ、いえ、あちらのお客様がご一緒にと……」
おふたり、同時に振り返ります。
「ヒロシ、いつの間に」
「てへ。跡つけた。先生、ごちです」
「体で払ってもらおう」
「か、体でって……」
その後一週間、ヒロシはおふたりの
おしまい。
お寿司好きですしおすし/五月とメイド・番外編 五月乃月 @gogatsu_notsuki
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