回転すしでわかる自由経済の問題点
只野夢窮
自由経済はダメだ。
よく評論家が自由経済をほめたたえ、規制緩和や小さい政府を主張するが、まともな大学のまともな経済学部を出た人間なら、そんなことが間違いだって知ってるはずだ。でも経済学部を出ていない人間向けに、回転スシで説明してあげよう。
あなたが店員に席に案内される。スシが流れてくるが、このスシが流れるレーンには当然ながら上流と下流がある。席というのは店員に与えられた所与のもので、普通の客なら席を勝手に変更することはできない。なのに、上流の人間は好きなスシを食べられ、下流の人間はその余り物を食べるしかない。これが自由経済である。
だから、国がやる規制とか介入とかは、こういうことである。タッチパネルで注文ができ、どの席の人でも好きなものが食べられるような状態にすることだ。このシステムを作るには当然費用がかかるし、その費用は価格に反映されるけど、それでもたまたま下流に座ったら余り物しか食べられないお店に比べたらましだろう。
こういうことなんだ。経済には必ず、国家が介入しないといけない。でないと、君はたまたま上流に座った人が大トロを食べるのを見ながら、たまごやネギトロを食べることになる。ああ、たまごやネギトロがまずいと言っているわけではないよ、念のため。
回転すしでわかる自由経済の問題点 只野夢窮 @tadano_mukyu
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