第17話仮面男の襲撃
腕輪を取り返してから五日経過したが、僕らはまだルミナスの町に滞在していた。
ニールはここ五日間、ほとんど僕らの前に姿すら見せなかった。時々、宿屋に帰ってはくるのだが、話をする暇も、今後の予定を訊ねる暇もないくらいにすぐに出て行ってしまうのだった。
太陽が完全に西に沈み、町の中を夕闇が支配している頃、僕とアスカは町の大通りをおしゃべりしながら散歩していた。相変わらず周囲に人通りはほとんどない。
「あたしたち、この町にずっといるけど、旅は大丈夫なの?」
僕らが旅をする理由は王都を賑わせている悪魔騒動について調べるために、王都へ向かうことであるということは、すでにアスカには話してある。
悪魔騒動は刻一刻を争う問題ではないかもしれないが、いつ自体が急変するかもわからない。それなのに、僕らは今日もこれといった目的もなくこの町に滞在していることに、アスカも焦れったく感じているのかもしれない。
実は僕も同じような気持ちを抱いているのだが、あえてアスカに反論する立場に立って言葉を返した。
「まあ、悪魔騒動は大して動きもないみたいだし、急がなくてもいいんじゃないかな。それにこうやってアスカと訓練するのも悪くないしね」
僕はこの五日間、町の外れでアスカとともに訓練に明け暮れていた。せっかくルミナスに滞在しているのだから、図書館で書物を読みふけるのも悪くはないと思ったのだが、なんとなくそわそわして身体を動かしたい気分が続いたのだったのだ。
それにこの前みたいなことがまた起きるのかもしれないのだから、身体を鍛えることにはなんの不都合もないはずだ。
「そう言ってもらえるのは嬉しいのだけれどね……。でもこの町に着いてから、ニールさんの調子は明らかにおかしいわよね。あたしですら気づいているのだから、もちろんあなたも気づいているのでしょう?」
「それはもちろん、僕も気付いている。なんにも言わないけれど、きっとナナも気づいていると思う」
「それにしても――」
アスカはそういって、僕を試すような目つきになる。こういう目をした時の彼女は何か重要なことを聞こうとしているのだと、短い付き合いだけど、なんととなくわかるようになった。
「なぜあなた達は悪魔騒動について調べようとしているの? 確かにあたしはあなたに対して、色々と隠していることがいっぱいある。そういうわけだから、聞く資格はないし、答えたくないなら答えなくても構わないけれど、旅に同行する以上はあなたたちの目的を詳しく知っておきたいの……」
どうしても気になるという表情でアスカが顔を近づけてきた。
詳しい事情を説明するとすれば、ニールの恋人の話までしなくてはならなくなる。ニールのいないところで、そのことを説明するのは少し憚られたけれど、アスカは間違いなく僕らの仲間だ。
「そうだね。ちゃんと言っておいた方がいいかもね」
そして、僕は結局アスカに話すことにした。現在王都で騒がれている悪魔騒動とニールの恋人を奪った悪魔がなんらかの関係があるかもしれないことを話した。
「恋人ね……」
話を聞いたアスカは、物憂げな表情で小さく呟いた。彼女の目つきは、僕の知らない誰かを思いやっているかのようだった。
でもそんな寂しそうな表情を見せたのは一瞬だけで、すぐにアスカは表情と切り替えていた。そんな立ち直りの速さはアスカのすごいところだと思う。
僕にアスカの寂しそうな表情について追求されるのを嫌った結果なのだろうけど。
「悪魔騒動を解決すること。それが終わったら、あなたたちはどうするの?」
「そのへんは決めてないかな。適当に旅を続けようかな、とは思ってるけどね……。あっ、そうだ。なんだったらアスカも一緒に行かない? きっと楽しい旅になると思うよ」
「ええ、それは魅力的な提案ね……」
アスカは呟いて、遠くの空を眺める。
その視線の先には何が見えているのだろうか。そう思って、彼女の視線を追ってみたけれど、僕には何も見えなかった。
闇が町を覆っていた。窓の外では、それぞれの家から漏れた明かりがぽつぽつと窺えるものの、音はほとんど何も聞こえない。
どうでもいいことかもしれないが、この五日間の間に僕らの生活空間は変化していた。
腕輪を取り返した翌日から僕らは四人部屋に移されたのだ。
どうして部屋を移されたのかと言えば、なんでも近々大きな学会が開催されるらしく、できるだけ空き部屋を確保しておきたいという宿屋側の意向が反映された結果らしい。
年ごろの男女が同じ空間を共有するというのは果たしていいものなのだろうか、と僕は少し不安を抱いていたけど、二人は特に気にした様子はなく、あっさりと四人部屋を受け入れた。
性の乱れがどうとか、そんなことを不安に思っていたのは僕だけだったようで、アスカとナナは今日もこの空間に僕という男がいても、とくに気にした様子もなくつろいでいた。
僕はどうやら二人には男として意識されていないらしい。まあ実際にはその通りで、僕には二人をどうこうしようなどという度胸はない。
自分で言っていてなんだけど、少し切なくなってきた。
ちなみにニールはほとんど帰って来ないので、この部屋は実質三人部屋だ。この部屋に存在する男は僕一人という状況なので、僕は余計に肩身の狭さを感じている。
「ここの図書館、すっごい面白いんだよ。私、これまで本ってあんまり読んでこなかったんだけど、本って色々面白いんだね。いっぱい本を読んだおかげで、いっぱい魔法の知識が身についちゃった」
ベッド近くの椅子に腰掛けてナナが得意げに言う。
ナナはこの五日間、毎日図書館に通っている。魔法書に目を通すことで、以前よりも使える魔法のバリュエーションが増えたと本人が言っていた。
「今日はね『えくすぷろーじょん』っていう魔法のやり方も覚えたんだよ。今はまだ私の魔力じゃ使えないけど、いつか使いこなせるようになったら、私が守ってあげるね」
エクスプロージョン――炎を扱う魔法の中では最強の威力を誇ると噂されている大魔法。対象となった獲物を、生命が燃え尽きるまで燃やしつくす魔法と言われている。
エクスプロ―ジョンのような大魔法になると、魔力を練ってから魔法名を叫んで自己暗示をするっていうだけでは魔法を発動することはできない。それ以外にも決められた正しい手順で、呪文を詠唱する必要があるのだ。
大きな魔法になるにつれて、どうして疑問の詠唱が必要になるのかは、明らかにされてはいない。一説によると、詠唱することによって普段使用する下級魔法よりも精霊の加護を引き出せるとか。
とにかく、その呪文の詠唱方法は大魔法ごとに決まっていて、『エクスプロ―ジョン』の呪文の詠唱方法自体は世間一般に知られている。ちなみに詠唱方法だけなら僕も知っている。が、それを実際に使用できる人間は歴代でも数えられるほどしか存在しないという。
大魔法は一発放つだけで尋常な魔力を消費すると言われているし、そもそも発動するだけの魔力を有していないとそもそも発動させることができない。
そういうわけで、エクスプロ―ジョンを含めた大魔法というのは、僕らみたいな一般人には、おとぎ話に出てくる類のものに近いのかもしれない。
エクスプロ―ジョンにまつわる話を一つ。
昔、悪魔が世界を乗っ取ろうとした時に、とある魔法使いがエクスプロージョンを使って、世界を救ったらしい。
まあ伝説の大魔法の一つと言われているもので、そういう伝説の類が好きな僕だからこそ、エクスプロ―ジョンという魔法についても、以前に母の書斎にあった書物を探って調べたことがあるのだ。
「すごいわね! ナナちゃん! どっかの早く動けるだけの男とは大違いだわ!」
アスカはジト目で口元に笑みを浮かべながら、僕の方を見てくる。このようなやり取りも良い意味で慣れてきたので、いちいち言い返したりはしない。
だって言い返すと、それ以上の攻撃が飛んでくるというのはわかりきっているから。ここで黙っておくのが一番賢くて、一番ダメージが少ないのだ。
アスカはナナの話にふんふんと頷いて、感心しているようだった。
エクスプロージョンの話は結構有名な話だけれど、アスカは知らないのだろうか。
「けれど、ナナが唱えられるのはいつになるんだろうなあ……」
僕が意地悪げに言葉を挟むと、
「あ! ひどい! またユウヤが無茶した時に、私は守ってあげないからねっ」
ナナは口を尖らせた。
その時、窓の外から言いしれぬ嫌な予感がこちらに向かってきていた。
黄色い光が見えたと思ったら、その光が僕の視界の中で徐々に大きくなってきた。
「なっ――」
迫ってきているのが雷光だと気づいたのは、それが窓を貫通しそうになった時だった。
窓を突き破ってまっすぐ飛んできた雷光を、僕は間一髪、横に跳んでかわした。
着地して周囲を確認すると、ピンポイントで僕を狙った攻撃だったようで、二人は無事だった。雷光が直撃した窓と、僕が立っていた床は無事ではなかったけれど。
「なに!? なんなの?」
取り乱したナナは、部屋の中を右往左往している。こちらも状況整理ができているわけではないので、ナナに落ち着くように諭すこともできない。
それでも何者かが襲撃してきたということは紛れもない事実なので、僕は腰の剣を抜き、アスカは特徴的なグローブを手に嵌めた。
「来るわよ!」
人の形をした影が窓の外から現れ、身をかがめながら窓の縁に着地した。
その影は、素顔を隠すために仮面で顔を覆っていた。
「ねえ。ユウヤこの仮面って……」
ナナがその仮面を認識して息を呑んだ。
「うん。この前の奴らだ」
その仮面には見覚えがあった。
以前、僕らを襲った男のうちの一人――タロムが身につけていたものと同じものだった。
仮面は僕たちの様子を見ているのか、今のところ身をかがめたまま動く気配はない。
「この前と同じようなヤツってことは、おそらく狙いはナナちゃんの腕輪よ! ナナちゃんを守り抜きましょう」
アスカの言葉に仮面は反応もみせず、不気味なほどじっと僕たちを見据えていた。
「おとなしく帰って欲しいんだけど……」
僕の呟きは、誰にも届くことなく空気中で霧散する。
仮面男は沈黙のままだったが、窓の縁から下りて部屋の床に着地して腰に差している剣を抜いた。
「ユウヤ! 行くわよ! ナナちゃんは、後ろで援護をお願いっ!」
言うと同時に、アスカは仮面に向かってダッシュを掛ける。アスカの攻撃を、仮面は身を逸らす簡単にかわし反撃を試みていた。その一瞬をねらって、僕は仮面に向かって剣を一閃させた。
仮面男は僕の動きに気づき、反撃をやめて攻撃をよけることに切り替えた。僕は一瞬だけ反応の遅れた仮面男の右腕を斬りつけてやったが、表面を少し掠っただけだった。
すぐさま飛び退いて、僕とアスカは仮面から距離を取った。
仮面男の右腕から、紙で切ったような小さな後が残っており、そこから血の雫が垂れていた。
四人部屋は思っている以上にスペースがあったため、剣を持って走り回っても少しは余裕があった。
今度は仮面が反撃に出る。
床を蹴り上げて一直線に僕を狙ってくるが、僕は横に跳んでそれを避けた。
その瞬間、ナナと仮面の間に障害物がなくなった。それを見計らって、ナナは魔力を練り上げて魔法を発現させる。
「ファイアランス!」
虚空から現れた一本の炎の槍が仮面男へと向かっていく。
仮面男の心臓を狙ったその一撃を、仮面男は飛び退いてかわした。床と接触する直前に炎の屋は消え去って、部屋が炎上するという最悪の事態は避けられた。
――その時だった。
からんっ!
乾いた音が響き、仮面が地面に落ちた。手を伸ばして仮面を拾おうとした隙を突いて、アスカが拳を構えながら追撃をかける。
しかし仮面男は一瞬早く拾い上げ、アスカの追撃をかわした。
仮面をかぶり直した男は、仮面をかぶっていても感じるほどの恨みがましい視線を向けながらも窓の外に姿を消した。
「ふう、なんとか、撃退できたみたいね」
窓の外を見ながら呟くアスカ。
僕も窓の外を見たけど、すでに仮面男の姿を捉えることはできなかった。どうやら仮面男は闇に紛れてどこかに行ってしまったようだ。
「うん、まあとりあえず良かったよ」
無事撃退できたというのは、間違いなく良いことなんだろうけど、その代償はかなり大きかった。
「これ、どうしようか……」
部屋の中は戦いの後で惨状になっているし、仮面男が侵入した窓は無残に割られてしまっている。
まあ僕らのせいな部分もあるけれど、大半というかすべて仮面男がこんなところに襲撃をかけてくるのが全部悪いのだ。
だけどそれを宿屋の主人が聞き入れてくれるのかといえば、それはまた別問題なわけで。
憂鬱な気持ちでため息をついていると、唐突に部屋のドアが開かれた。
騒ぎを聞きつけた宿屋の主人がやってきたのかと思ったが、ドアの向こうに立っていたのは、不思議な雰囲気を持つ小さな女の子だった。
「えっと……今の時間はいってらっしゃいだっけ?」
間抜けな挨拶も最初会った時とほとんど一緒だった。
唐突に僕の目の前から消えたマリヤは、こうして唐突に僕の目の前に現れた。もちろん驚きがなかったわけじゃないけれど、気持ちの奥では彼女の神出鬼没さは理解できていたので、取り乱したりはしなかった。
マリヤはそのままスタスタと部屋の中に足を踏み入れてきた。マリヤと初対面のナナは顔中に疑問符を浮かべていたが、マリヤはそれを気にした素振りを見せなかった。
「それじゃあ、出かける。場所は王都ガーデル。ついてきて」
手近にいたアスカの腕を掴み、マリヤは唐突に話が進めようとしていた。
「ちょっと! 待って、待って! 確かにあたしたちの目的はガーデルだけど、まだ一人戻って来てないのよ。帰って来てからでも、いいじゃない」
ほとんど反射的にアスカはマリヤに掴まれた腕を振りほどいた。
「なに? だったら早く呼んできて。帰れなくなっても知らないわ」
それに対してマリヤは少しだけ眉をぴくりと動かして抑揚のない口調で言い返した。
帰れなくなるってどういう意味だろう、と少し気になったけど、ただでさえややこしい話をこれ以上ややこしいものにしたくなかったので、僕は黙っていることにした。
「ねえ、この女の子はだれ?」
僕の隣に寄り添って、ナナが僕に聞いてくる。
「ああ、この子はマリヤっていうんだ。実は腕輪を取り返しに行った時、僕らを助けてくれたんだよね。アスカは元々知り合いみたいだけど……」
だいたいマリヤの正体なんて僕もイマイチわかっていないんだ。それなのに説明を求められても困る。
「そうなんだ……」
それでもナナは、一応納得した表情を見せてくれた。
「よろしくねっ! マリヤちゃん」
ナナは、見えない火花を散らしているアスカとマリヤに近づいて、マリヤに握手を求めた。
マリヤは横から急に伸ばされた手とナナの顔ををしげしげと眺めていた。
「あなたは?」
「私はナナ! ユウヤと、最近はアスカさんとも一緒に旅をしてるの。あと、ここにはいないんだけどニールっていう男の人も一緒だよ」
「こちらこそよろしく。あなたがあの腕輪の持ち主?」
「腕輪? これ? そうだよ! ユウヤが無茶して、取り返しに行ったの」
「その腕輪は絶対手放さないで。この先絶対必要になるから」
ずっと感情の籠もっていないような口調で話していたマリヤだけれど、その忠告を口にした時だけは、少し感情が籠もっているというか、切羽詰まっているかのような感じだった気がする。
結局、マリヤはナナと挨拶は交わしたものの握手には応じなかった。とはいえ、ナナがそれを気にする様子もなく、二人の間には暖かい空気が流れていた。
気難しいというか、何を考えているのかわからないマリヤと一瞬で打ち解けたようで、相変わらナナはずすごいな、と僕は遠巻きに眺めて思っていると、マリヤが入った時から開かれている扉から、新たな人影が飛び出してきた。
「三人とも! そろそろ王都まで出かけるぜっ!」
それは最近ずっと忙しそうに町を駆け回っていたニールだった。
偶然にも、マリヤと同様の内容を口にしていた。どうやらこんな夜も更けてきた時間に街を飛び出すのは確定してしまったようだ。
まあまた襲撃の可能性がある以上、さっさとこの町を後にするのは賛成だったので、その言葉に僕は従うことにした。
ただ出発前に、僕らの前には大きな問題が残っていた。
それは惨状と化した四人部屋のもろもろの埋め合わせのことである。
しかし、これらことを説明したところ宿屋の店主に説明したところ、驚くべきことに不問となった。
その経緯を少し説明しよう。
まず僕らは素直に宿屋の主人に事情を説明した。当然それでまかり通るわけもなく、主人は僕らに窓や床の修理代を請求してきた。だがこっからが僕ら――というかアスカの真骨頂だった。
まずアスカは主人の手を、両手で包み込むように握ってみせたのである。まあぶっちゃけ、この時点で割と勝負があった感じではあった。主人は顔を真っ赤にしてうろたえていたのである。
そこから追い打ちをかけるように、アスカは上目遣いで主人を見つめ、潤んだ瞳で誠意を示すかのようにか細い声で「ごめんなさい」と呟いた。
そっからも彼女の追撃があったのだが、それはここでは割愛する。
そうしたら、優しい店主は困ったような表情を浮かべ、弁償代を不問にしてくれたのだ。それどころか、宿泊料金をオマケすらしてくれた。
ぜひルミナスに立ち寄った時には寄ってくれよな、と僕らに手を振っていた主人の顔は満足そうだった。
宿屋を出た時のアスカは悪人のように唇を歪めていた。女の子って恐いなあと思ったけど、命が惜しいのでもちろん口には出さなかった。
ナナも以前に、アスカと同じ方法で自分の希望を通そうとしたことがあったなあ、と思い出した。
無自覚でそういうことをやってしまうナナと、自分の美貌をふんだんに発揮して自分の希望を通そうとするアスカ。
どっちのほうが性質が悪いのだろうか、そんなことを考えながら、夜の帳の下りたルミナスの町を後にした。
街の外に出て、僕は横を歩いていたニールに感じていた疑問を投げかけた。
「ニールはずっと何してたの? 最近、全然姿見せなかったけど……」
「ん? ああ。ちょっと、調べ物をな……あの図書館で、今後の方針とかを決めようと思っていたのさ」
図書館にいたっていうんなら、足繁く通っていたナナとすれ違ったりしなかったのだろうか。まあでもあの図書館は広いしなあ。同じ空間にいても気づかないのかな。
「ふーん、そうなんだ。あっ! 右腕、怪我してるよ。大丈夫?」
ちょうど肘のあたりに血が一筋流れていた。最近できた傷のようで、その血もまだ乾いていない。
「ん? ああ、多分大丈夫だ……。こんなもん唾つけとけば治るさ」
そう言って、ニールは袖で血を拭った。
そんなこんなで、マリヤを含めた奇妙な五人組は、闇を切り裂くように街道を進んでいったのだった。
この先には、いよいよ王都ガーデルが待っている。
空に満天の星々が輝いていた。
使いっ走りの勇者様 しんや @barabara
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