雑想詩

@Motegi

雑想詩

風雪詩


東方雪嶺生白雲  東方雪嶺白雲を生じ

白天凍風運雪片  白天凍風雪片を運ぶ

捧故山一献酒宴  故山に捧ぐ一献の酒宴

林下寂唯聞風音  林下寂として唯聞く風の音


月下読書


窓下月明佳  窓下月明佳く

昨晩甚筆遊  昨晩筆遊すること甚だし

反側不得眠  反側して眠ることを得ず

不覚春眠暁  春眠暁を覚えずして

朝不得起床  朝に起床を得ず

勿憂也学為  憂うるなかれ学の為なり

更欲推敲時  更に推敲の時を欲す 

昼短苦夜長  昼は短く夜の長きに苦しむ

白雲過月光  白雲月光を過ぎる

消灯火眺景  灯火を消して景を眺める


星巡詩


夜見出幾千恒星 夜出でて見る幾千の恒星

秋風清澄流雲漢 秋風清澄にして雲漢を流す

隔天地之数万尺 天地は之数万尺を隔て

隔時幾千年在現 時は幾千年を隔てりといえども現に

在り

不在夜天人間所 夜天は人間の在らざりし所

冷光打再無情感 冷光再び打つ無情の感

吾君現隔数百里 吾と君とは現に数百里を隔つも

望同光呑夜光杯 同光を望みて呑む夜光の杯


雪月花


古城彩万朶桜花 古城を彩る万朶の桜花

飛来落明鏡池水 飛び来たっては落つ明鏡の池水

暑夏冷夜映月鏡 暑夏冷夜月鏡を映し

秋水紅葉染流水 秋水紅葉流水を染める

草木眠厳冬白庭 草木も眠る厳冬の白庭

枯木散花凍氷景 枯木散花する凍氷の景

花木雪月皆波上 花木雪月皆波上なり

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