パンとナイフ

みーさ

第1話

わたしはパンの耳が嫌いだから

白いとこを千切って食べ、あなたが耳を喰べるの。


わたしはルールが嫌いだから

どこだろうと煙草ふかせ、あなたがその煙りを吸うの。


わたしはあなたが嫌いだから

あなたじゃない人と身体を重ね、あなたはわたしの帰りをただ待つの。


わたしはわたしが嫌いだから


腕にナイフをあてる。


わたしはわたしが嫌いだから


ビルの屋上でみんなを見下ろす。



「僕は君がすきだよ」



そういってあなたはわたしの身体を突き飛ばし、下へ下へとおちていった。



午前3時半。

空き缶の転がるあなたとの部屋に冷たい空気。

テーブルの上にはいつもはない一つの指輪。


そしてわたしはパンの耳を生ゴミへ投げつける。




パンとナイフ


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パンとナイフ みーさ @DAIKONnoODEN

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