第三話 難題は向こうからやってきた
僕の身の回りでにわかに不思議な出来事が起こりつつあるらしい。
そんな非日常も事情通が現れたことで一定の心の平穏を獲得したのだが、自宅でゆめと二人きりになってみると、結局この少女について、僕は知らないことだらけだあということに気付いた。
「お前が夢の住人だということは、
人間の適応能力は高いらしい。
そんな風に思うのは、目覚めの瞬間に、ゆめの寝顔が飛び込んできても驚かなくなったからだ。また僕のベッドにもぐりこんでいる。
「起きろ、朝だぞ」
ゆめが僕の前に現れてから丁度一週間。これで7度目、夢の住人を起こすのはなんだかシュールに感じてしまう。ゆめは、食事を採る必要がなく(しかし食べたがる)、その上見た目も変幻自在だ。それなのに、睡眠だけは人間と同程度必要らしい。
「zzz…」
いや、人一倍眠りこける。まるで起きる気配がない。
「まあ、いいか」
ゆめがこの調子なら、その間に朝食を済ませるか。ゆめの前で食事を採ると、食べさせろとうるさい。
居間へ降りていくと、一階の食卓には朝食が順番に並べられている所だった。
「あら、早いわね」
母親が僕に気付くとそう言う。
「高校からは部活もあるから」
夢占い部には、正式に入部しているわけではない。ただ、今後のことも考えて仮入部ということで、中途半端に関わっている。その説明がわずらわしいので、両親には入ったということで通している。
「あんたが占いに興味あったなんてねぇ」
興味はない。しかし、ゆめのことはまだまだわからないことだらけだ。関わらざるをえない。
「楽そうな部だったから」
「朝練があるみたいだけど」
変に勘ぐってくる。僕の母は勘がいいので面倒だ。
「はじめのうちからサボれないだろ」
母はそれで納得したのか、それとも朝のニュースが気になったのかこの話題はそこで終わった。
「ん?」
朝のニュースには、どこか見覚えのある町並みが映っている。
「あれ、あんたの学校じゃない?」
母のいう通り、テレビに映っているのは僕の通う高校だ。この時間帯はローカルニュースの枠で、地域のニュースを紹介している。
「
muge_夢現~夢見た少女じゃいられない~ @akasatana11
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