第23話新たな力は絶望とともに




辛いことから逃げた。嫌なことからも。これは、全てを投げ出した自分への代償なのだろうか?! 今、目の前に迫りくるトロールの魔の手にさらされて、絶対絶命のピンチに立たされていたマシロは、よわい、15年の儚くも短かった生涯を振り返っていた。


思えば、ふとしたきっかけで魔導師と

なったけど今でも奇っ怪な選択だったと思う。


結局、あの頃と今とでは対して変わったことなんてにいとゆうことだけを痛感する。

「なんで!こんな目にばかり会わなければいけないんだ」日はすっかり昇り辺りを明るい陽光が包むもマシロの心は混沌の芽を生やそうとしていた。

《臆病で小心者。で陰鬱で消極的。軟弱で消極的》そんな性格の自分が憎い!



だからなのか! 貧弱故ゆえにひ弱でも、魔法が使えなくたってこの事態に陥り【死】とゆう絶望の一文字が頭を過る。


その時、マシロの手のひらから鈍く黒光するエフェクトが発っせられ、黒く禍々まがまがしいオーラが放たれる。

そこからの大鎌が出現する。それは、今までの流星を模したデバイスとは違いそれはマシロの身の丈ほどあるかとゆう程大鎌だった。死神の鎌の如く禍々まなまがしく漆黒でも淡く儚い憂いを帯びていてそれは、いつの日かの想いの具現化にも感じとれた。「こ、これは?!」マシロは新しい力を発動させたことで驚きをあらわにする。

だけど、驚いてばかりなんていられない。



そこで手のひらに出現した大鎌の湾曲された切っ先をトロールへと向け、これでもかとゆう具合に構える。



「どうやら、逃げ惑うのは、そっちのほう(たいだね!いくよ。」

と自らの勝機を悟ったかのようひマシロは力いっぱい大鎌を振り下ろす。も、ズシン。重すぎて重心が定まらずに空振りして地面をえぐって亀裂が走り軌道上の木々に直撃し、大きな傷痕を残す。

一瞬、身体をのけ反るトロールあまりの衝撃波に、目をくトロールが、次の瞬間には嫌な笑みを浮かべてマシロ目掛けて腕を伸ばして迫りくる。そ、そんなぁ。いろいろと限界だよ...と その大きな巨体が迫り来る目を覆いたくなる光景を前にする。

マシロはその場に黒光りする大鎌を狂気の色に変えて構え、再び相手を強く見据えるも心の中はもう泣き出す寸前だった。




魔女との闘いを終えて倒すべき相手に最後の一閃を入れることが出来なかった。


アウルは、一人、ギルドから受けた任務を果たすことができなかったことにある疑念を。イ抱いてきた。魔女との戦いの末に自分の一閃は魔女へむけるべきものだったのか?!その代わりに魔女の口から告げられた言葉に戸惑いを隠せずにいるのだった。そんなどこか影のある彼女を想い自分が剣を交えるべき相手は、いったい誰だったのか考えていた。


その時、激しい身体が身震いし、心がザワめく感覚に襲われる。その時、アウルは誰かが助けを求める微かな声が聴こえたような気がした。どこか、気弱な消え入りそうな声。

そんな声が頭の中に響く。それは自分が良く知る人物のもので近くで、守らなくてはいけないそんな存在。それは、間違いなく自分達の前から姿を消したマシロのものであることをアウトは瞬時に気付く。


アウルは街角の商店で露店商人をしていたボロ切れ同然の薄汚れたローブを脱ぎ払い勇者の姿へとなり、マシロの魔力の気配を頼りに露店を置き去りにしてその場を駆け出す。無事でいて欲しい、マシロの元へと。







マシロの魔力が今にも消えそうだこのままではモンスターにヤられてしまう。クソっ間に合え。早く、もっと早く。と瞬速させ森の中を縦横無尽に掻ける足を更に加速させる。

目の前の視界に飛び込んでくる木々の枝が顔をかすめていたるところに擦り傷を作りながらも、そんなの構うものか!!と

目の前の障害物を一閃。道を切り開き進む。

間に合ってくれ!と木々の茂みを払いのけたところで、ある光景を目の当たりにする。


目の前に人の体を軽く覆い隠すような巨大な木が見えてくる。そこに、大小の人影が2つ確認できた。小さく怯んだ人が大きい人影とモンスターに迫られ見るからに危うい。そして、視覚に全神経を注いで


捉えた! マシロ視界に捉え、もう、一分一秒と経たないうちにモンスターの魔の手にがその小さな身体を襲おうととしていた。


クソっ間に合えと一閃。っと聖剣サイレンスサイバーを振るいアウルはマシロとトロールの間に衝撃波を浴びせる。瞬時に身を引くトロールの動きを見逃さずザッとマシロの前にと聖剣を構えて仁王立ちとなる。

強敵ワンゼトロールの咆哮ほうこうを浴びながら

片手で魔導師を庇い改めて聖剣を構える。


ワンゼトロールと激しい剣幕でぶつかり合うアウル。その様子をアウルの腕の後ろで守られて片隅をのむマシロ緊張感で張り巡らす空気の中でワンゼトロールはアウル目掛けて爪を突き立ててくる。咄嗟の攻撃に身体をバックステップで後ろへと引く身体を貫かんとばかりに迫ってくる獸爪を、制限で弾きなんとか難を凌ぐ。巨体から繰り出される衝撃に、持ち堪える。

だけどまた、次の一撃をマシロを庇いながら受け止められるかと言われると不安になる。


そんなことが頭を過るも、相手はもう、状態を後ろへ引き攻撃の態勢へと入っている。


来る。と覚悟を決めたその時、ポフンと顔にフワフワの感触が当たる。


それは、どこから出現したのかお人形サイズの女の子木の葉をイメージしたワンピース衣装に身を包んだ、神秘的な雰囲気が漂うの衣装を身に纏った小さな女の子がそこにはいた。


あれ?浮いていると良く見ると葉っぱの羽をパタパタさせてホバリングで状態を保っていた。あれ?トロールは?!と辺りを見渡すも姿形がすっかり消えていて呆気に取られる。



「驚かせてしまってすみません。そこの女の子が楽しそうにシュナイダーと遊んでいたのが、あまりに楽しそうで私も混ぜて貰いたくて失礼ながら一興いっきょうを楽しませて頂きました。」


「おかげで死にそうになったんだけどな!」と語意を強くして純朴で無邪気な妖精にぶつける。「すいません。姿をわきまえずに軽率な行動を取ってしまったのは反省しています。ですが。

この衝動をどうしても抑え切れなくて、死を覚悟させた事はとても言葉にできません。」


しばらく、深々と頭を下げてくる誠実なのか天然なのか分からない妖精を見ていてなんだかここで怒るのは間違っているような気がして開き掛けた口を静かに閉じる。


「いいよ。要は遊び盛りだったってことなんだよね。」マシロも無事だったんだからこれでいいじゃないかと丸く納めようとするも


あれ?一体この子は何者なんだ。という疑問が残ってしまう。


目の前のこの可愛い妖精が今、闘っていたワンゼトロールだった。でも、それじゃあ納得がいかない。「君は、いったい、何者なんだ?」つい、そう訊いていた。「はい。お答えします。私は森の妖精シホルです普段は森の奥深くで森の安全を見守っているのですが、外敵から身を守る為に森林を徘徊はいかいする時は、さっきのようなトロールへと姿を変えているわけです。」


なんだそれ??スッゴいな((笑))妖精との出会いとマシロに秘められた新たなスキルの存在に

エキストラな予感しかしなかった。










「いやー。疲れたよー」

「いや、その前に自分で歩かないで何を言ってるんだよ」とアウルがマシロを背中に担ぎ歩きながら毒づき、訂正してくる。

要らないお世話だよまったく。

そんなこんなで死ぬかもしれない思いをして

森の妖精と共に、可笑しなメンツで帰路についていた。

マシロは、普段しないことをしたせいか普段は干物生活をしていたせいか、とにかく身体の節々が痛い。帰ったら二度寝だな。

と心に固く決める。それにしてもさっきの能力はなんだったんだろう。いつの間に自分は、ダークサイドに落ちてしまったんだろうと自分のこれまでの自堕落な生活を振り替える。


「なぁ、訊いてもいいかな。さっきの力って?前は、あんなのじゃなかったと思うんだけど。」以前は、きらびやかに輝くスター・ロッドを扱っていたマシロからは想像も付かない混沌の闇を見せられたアウルは恐る恐る尋ねる。

「それが、自分でも、よく分からないんだ。」まったく違うとも言える。でも、あれが自分の中に今まで眠っていた本当の力なのかな。

なんて思ってしまう。その答えは...

「ごめん。自分でも分からないだ......」

と只、マシロは自分自身でも戸惑いを隠せずに言葉を濁すことしかできないでいた。

「そうか...」「うん。。。」ここで静かな沈黙が二人を包む。「でもあの、大鎌を言葉にするなら。そう、ダーク・シャイニー」自ら新しく発現した漆黒の大鎌を自信満々にそう名付ける。「暗闇を晴らす者。か...よく考えたな。」


「うん!」実際は、自分にもしもの時には...と幾つか考えておいたのだ。これであたしも

晴れて、最強主人公の仲間入りかー

。なんて、頭に過るマシロの考えなんて知りもしないアウルは微笑ましさを感じずには要られないのだった。



「はぁー。マスターは、喫茶待っていてくれるかなー?」と勇者と黒魔導師。あと、自称森の妖精は朝靄の、晴れた道を皆が待つ喫茶セレナへと足を急ぐ。そんなある日の午前の中頃であった。




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